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チョウ監督不在で掴んだ価値ある白星…京都・杉山弘一コーチ「ベンチの熱が下がったと言われないように」

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指揮官不在の京都が価値ある勝利

[4.17 J1第9節 柏0-2京都 三協F柏]

 京都サンガF.C.柏レイソルを2-0で下し、連勝を達成。チョウ・キジェ監督は新型コロナウイルス陽性のため不在だったが、リモートで指示を送っていたという。試合後の会見で、杉山弘一コーチは「言われたことをそのまま遂行しただけ」と采配の裏話を明かした。

 指揮官不在で挑んだ柏戦。しかし、選手たちは躍動する。前半13分にDF荻原拓也が先制点を挙げると、その後も終始試合を支配した。後半3分にはFWピーター・ウタカが値千金の追加点。選手交代をしつつ、4バックから5バックに変えながら、そのまま開幕節以来の完封勝利で今季初の連勝を達成した。

 13日のルヴァン杯に続き、指揮官は隔離中。しかし、リモート体制で常時指示を受けていたという。試合前のミーティングでは、チョウ監督から「勝負は自信に宿る」とメッセージを受けた。ハーフタイムにはDF白井康介を下げてDF長井一真を投入したが、杉山コーチにその意図について質問が及ぶと、「本当はこんな答えだめなんですけど……監督から代えろと言われたのを、僕は紙に書いて伝えた。代えろと言われたことをそのまま遂行しているだけです」と冗談交じりに裏話を明かした。

 ただ、身近にいるからこそ果たせる役割もある。杉山コーチはピッチを去る選手に「代わるけれども連戦続くから準備してくれ」と、代わりに入る選手には「頼むぞ」と声を掛ける。緊急事態の中で、選手たちが心を乱さずいつも通りプレーできるように努めた。

 選手たちもその献身に感謝を示す。MF福岡慎平は「いつもと変わらないミーティングを作ってくれた。選手のモチベーションを上げてくれて、裏で動いてくれているスタッフ陣、コーチ陣に感謝したい」と語る。「チョウさんがいないところで勝つことによって、安心して観てもらえる」と指揮官不在が発奮の材料にもなっていた。

 杉山コーチ自身も監督不在の中で奮闘。終盤の相手のセットプレー時には声を張り上げて指示を送り続けた。「チョウ監督がいない分、ベンチの熱が下がったって言われないように、コーチ陣でとにかく声を掛け続けようと。僕らができるのはこれくらいのことなので」。チーム一丸で掴んだ、価値ある白星となった。

指揮を執った杉山弘一コーチ


(取材・文 石川祐介)
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