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声出し解禁か、リスク忌避か…葛藤述べた野々村チェアマン「両者のニーズにどう応えていくか」

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Jリーグの野々村芳和チェアマン

 Jリーグの野々村芳和チェアマンが19日、社員総会後にメディアブリーフィングを行い、現在も規制が続いている声出し応援への見解を述べた。Jリーグのガイドラインは政府方針に沿うため「われわれだけでは決め切れない」といい、「現状まだまだ感染状況がある。第7波のリスクもある中、安全や安心にどう配慮するかを考えていかないといけない」と葛藤を明かした。

 ファン・サポーターからは従来の応援スタイルを待ち望む声も多く上がっている一方、声出し応援の解禁による飛沫リスクを恐れる声もある。野々村チェアマンは「声を出したい、元のスタイルでサッカーという作品をより良くしたい人と、コロナは怖いという両方の人が存在していく中で、両者をどうバランスさせて、どうニーズに応えていくかを真ん中に置いて考えないといけないと考えている」と見解を示した。

 また声出しの解禁に向けては「スモールスタートでどこかのクラブで始めて、事例を作っていく作業を積み重ねながら、段階にゆっくり進めていくのが現実的ではないかと考えている」と“段階的解禁”の可能性も示唆。「その場合、マスクは当然ながら必須」とした上で「コロナの一番最初の頃のように座り方、配置の仕方、エリアの区切り方など、次の段階に進むためのリスク評価をして、エビデンスを積み上げて検討していく」と前を見据えた。

 メディアブリーフィングの質疑応答では、観客数制限の撤廃後もなかなか戻らない動員数にも話が及んだ。

 野々村チェアマンは「心理的なハードルはあるなと想定していたが、数字としても出ている。心理的なハードルを一歩進んでもらうための施策ができるかというところで、テレビCMなどのキャンペーンに効果があることは分かったので続けてもらう」としつつ、「近くにいてくれるサポーターはこういう環境でもサポートしているが、その空気感を見るのを楽しみにしていたサポーターがまだその心理的なハードルを超えられないと思う」と指摘。「応援スタイルを少しずつでも緩和していく中で、ハードルが下がるかもしれないし、場合によって人によっては『このエリアだけは万全な感染対策をしている』と表明してあげたほうが心理的なハードルを超えられるかもしれない。さまざまな観点が必要だと思っているので、いくつかの方向からいくつかの施策を同時にやっていくことが必要だと思っている」と述べた。

(取材・文 竹内達也)
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