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上田綺世が裏抜け&背負いで圧巻2ゴール!! 首位鹿島、磐田叩いて独走態勢へ

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FW上田綺世が2ゴール

[5.3 J1第11節 鹿島 3-1 磐田 カシマ]

 J1リーグは3日、第11節を各地で行い、首位の鹿島アントラーズジュビロ磐田を3-1で破った。日本代表FW上田綺世が試合を決定づける圧巻の2ゴール。AFCチャンピオンズリーグ参加のため今節試合がなかった2位川崎Fとの勝ち点差を5に広げた。

 10試合を終えて首位の鹿島は前節のC大阪戦(○3-0)から先発1人を変更。DFブエノに代わってMFアルトゥール・カイキが入った。対する磐田は前節の名古屋戦(○2-1)で7試合ぶりの白星。鹿島より1日多い中4日となった中、同じスターティングメンバーを起用した。[スタメン&布陣]

 立ち上がりから一気に鹿島が攻め込んだ。まずは前半5分、最終ラインに入ったDF三竿健斗が右サイド深くにロングフィードを送ると、DF常本佳吾が空中戦に競り勝って折り返し、鈴木優磨がワンタッチでボレーシュートを放った。だが、これは枠外。同7分には安定したビルドアップから右サイドをMF松村優太が切り裂くも、折り返しのパスは相手に阻まれた。

 その後は磐田がMF遠藤保仁のゲームメイクでやや盛り返す時間もあったが、鹿島は前半16分にも決定機。右に開いたMF樋口雄太のクロスにA・カイキがヘディングで合わせるも、2試合連続先発のGKアレクセイ・コシェレフにセーブされた。

 そうして迎えた前半29分、鹿島がついに試合を動かした。松村のドリブル突破で獲得した右からのCKを樋口がゴール前に送り込むと、ゴール前でA・カイキがDF伊藤槙人に競り勝ちヘディングシュート。うまく叩きつけたボールがA・コシェレフの手を弾いてゴールマウスに転がり込んだ。

 さらに鹿島は前半34分、樋口のミドルシュートは枠を外れたが、同35分に追加点。樋口が鋭い身体の寄せでボールを奪って縦につけると、右のハーフスペースで受けた鈴木が浮き球のスルーパスを送り込む。ここに反応したのが絶えずラインと駆け引きしていたFW上田綺世。落ち着いてGKとの1対1を制し、左足でゴール左隅に流し込んだ。

 鹿島は前半38分にも松村の積極的な突破で右CKを獲得し、樋口のキックから決定機を創出。上田とA・カイキがかぶってシュートには至らなかったが、セットプレーが大きな脅威となっていた。そのまま鹿島はボールを握り続け、2-0でハーフタイムへ。ほぼ完璧な45分間を披露した。

 磐田は後半開始時、FW杉本健勇とMF松本昌也に代わってFWファビアン・ゴンザレスとFW大津祐樹を投入。すると一気に戦況を盛り返し、同2分、MF鈴木雄斗のクロスをF・ゴンザレスが折り返し、大津が右足シュート。これは相手に阻まれたが、同5分には遠藤のCKをDFリカルド・グラッサが競り合い、こぼれ球を拾った鈴木が惜しいシュートを放った。

 対する鹿島は後半8分、カウンターから鈴木がやや低い位置に降りて受け、グラウンダーでスルーパスを配給。これに上田が抜け出したが、右に素早く持ち出し放ったシュートはわずかに右に外れた。同16分、シンプルなハイボールからF・ゴンザレスにゴール前でタメをつくられたが、GKクォン・スンテが身を挺して時間をつくり、樋口が献身的に戻ってクリアした。

 その後も磐田が優勢を保つ中、後半22分には早くも2度目の2枚替え。DF山本義道とMF上原力也を下げてFWジャーメイン良とMF山本康裕が入った。すると直後、遠藤のFKからジャーメインがヘディングシュート。これをキャッチしたクォンのフィードをF・ゴンザレスがブロックし、そのままボールがゴールマウスに吸い込まれた。だが、清水勇人主審はF・ゴンザレスにファウルの判定。ゴールは認められなかった。

 それでも磐田は後半26分、鋭いカウンター攻撃で獲得した右CKを遠藤が短く出すと、山本が右サイドから鋭いクロスボールを配給。ファーでDF関川郁万との駆け引きを制したF・ゴンザレスがヘディングで押し込み、1点を返した。鹿島は直後、鈴木とMF和泉竜司に代わってMFファン・アラーノとMFディエゴ・ピトゥカを投入。ピトゥカは6試合の出場停止(うち2試合はクラブの独自処分)から明け、これが復帰戦となった。

 その後も磐田が勢いをキープ。ところが後半33分、鹿島の若きエースが圧巻の一振りで試合を決定づけた。前線でこぼれ球を拾ったA・カイキが縦パスを入れ、上田がボールをキープ。相手を背負いながら左に持ち出し、角度のないところに追い込まれたかと思われたが、それでも果敢に左足一閃。強烈な弾丸シュートをゴール左上に突き刺した。

 上田はこれで今季7ゴール目。他会場でこの日1ゴールだった得点ランキングトップのFWピーター・ウタカに1点差に迫った。その後も落ち着いて試合を進めた鹿島が3-1で勝利。昨季上位勢がACLに参戦していた中、6シーズンぶりの国内タイトル奪還に向けて独走態勢に入ろうとしている。

(取材・文 竹内達也)
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データ提供:Opta
※大会の公式記録と異なる場合があります

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