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ノエスタで大規模ワクチン接種を実現! 神戸に「シャレン」パブリック賞

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 Jリーグは10日、2022年度の「Jリーグシャレン!アウォーズ」の各賞を発表し、ヴィッセル神戸の「神戸市新型コロナワクチン接種会場の運営協力活動」がパブリック賞に輝いた。

 Jリーグシャレン!アウォーズは、全58クラブが2021年に実施したホームタウン・社会連携(シャレン!)活動の中から、特に社会に広く共有したい活動を表彰する取り組み。20年度から始まり、今回が3回目となる。ソーシャルチャレンジャー賞、パブリック賞、メディア賞の3賞が設けられており、いずれも一般投票と選考委員会の選考によって選ばれた。

 神戸は新型コロナウイルスのワクチン接種がスタートした昨年5月以降、兵庫県や神戸市などの自治体、国立病院機構神戸医療センターをはじめとした医療機関、神戸大など教育機関、楽天グループなど産学官28団体と協働し、本拠地のノエビアスタジアム神戸でワクチン接種の運用を実施。試合運営のノウハウを活かして1日最大6,800人を受け入れるなど、約36万回の接種を行った。

 運営を担当する神戸の米澤崇氏によると、昨年5月上旬に海外のスタジアムでワクチン接種が始まったという報道記事を読み、依頼に備えて準備をスタート。ゴールデンウィーク明けに楽天グループから実施を伝えられ、すぐに神戸市に連絡し、同月31日には早くも接種を始めるというスピーディーな対応となった。

 会場にはMFアンドレス・イニエスタら選手のパネル(実施決定直後に前もって撮影)が掲示され、ロッカールームやピッチへの通路を待機場所にしたり、ピッチサイドを導線としたりなど、「接種の緊張感をほぐす仕掛けで、楽しんでいただきながら帰っていただく」(米澤氏)といった工夫もあったようだ。

 1日最大6,800人というオペレーションでは日頃の試合運営の成果が出ていたという。米澤氏は「バスも満員だという中で、受付に来た人をできるだけ受付でためさせないなど、いろんなところでストレスを与えないようスムーズな接種を心がけた。普段、スタジアムで何かを配る際に行列をいかにさばくかという意味で、配り物がワクチンに変わっただけ。受付もチケットの拝券によく似ていると感じた。備品も試合の日に使っているものと同じで、どこにしまっていて、動かすのに何人必要かというのも同じ。ノウハウがいろんなところで発揮されたと思う」と振り返った。

 そうした尽力の結果、ビッグクラブにふさわしい大規模な地域貢献が実現。米澤氏は「全世界的な災害が発生した中、行政関係からクラブに何を求めているのかをヒアリングした。もちろんワクチンのこともあるが、差別などいろいろな問題があり、ヴィッセルとしてできることならなんでもやろうと考えた。兵庫県には41自治体あるが、全自治体に声かけをして、遠慮なく言ってくださいとお伝えした。もちろん今後は通常のような生活が戻ってきたら、地域の方々と清掃活動をしたりお祭りに出たりもしたい。ただ、今だからこそできることをやっている。これは胸を張って言えることかもしれないが、もちろん楽天グループの傘下には入っているけど、われわれは神戸市のクラブ。神戸市、兵庫県とのつながりは深いものがある。行政に電話一本で動いてもらえるクラブはそうないと思うけど、今回はシャトルバスが必要になって電話一本で動いてもらえたりとか、電話一本で市長と対談をしたりできる関係にある。そうした関係はコロナが起きた世界で今後も活かすことができると思うので、さらに深く自治体と連携しながら続けていければ」と前を見据えた。

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