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鹿島FW鈴木優磨、PK譲らず2ゴール「今日は特別な日。今日だけは蹴らせてくれと言った」

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FW鈴木優磨が2ゴール

[5.14 J1第13節 鹿島 4-1 札幌 カシマ]

 1-0で迎えた前半25分、鹿島アントラーズはMFアルトゥール・カイキが倒されてペナルティキックのチャンスを得ると、FW鈴木優磨はボールを掴んで離さなかった。「普段だったら蹴らないけど……」。これまでFW上田綺世、MF荒木遼太郎ら若手選手にキッカーを委ねていた背番号40だが、今日はなにせ“特別な日”。なんとしてもゴールを決めなければならなかった理由があったようだ。

 試合後、2ゴールで勝利に貢献した鈴木はPKキッカーを担った背景を明かした。

「普段だったら蹴らないけど、今日は“銚子の日”ということで子どもたちがたくさん見にきている中で、なんとかして点を取っているところを見せたいと思っていた」。

 鈴木は千葉県銚子市出身。この日クラブはフレンドリータウンデイズ「銚子の日」企画を実施しており、故郷から多くのサポーターがカシマサッカースタジアムに足を運んでいた中、普段以上の気迫で試合に入っていたという。

 その気持ちがPKのシーンに表れていた。「普段は蹴らない。今日は特別な日だったので、『今日だけは蹴らせてくれ』と言って、綺世とかカイキに譲ってもらった」。最初のキックはGK菅野孝憲に防がれたが、VARの介入が味方して蹴り直しのチャンスが到来。2度目のキックをしっかりと決め切った。

 さらに前半アディショナルタイム1分にはFWアルトゥール・カイキからの折り返しに反応し、2ゴール目を叩き込んだ。鈴木によると、今週のトレーニングではA・カイキと互いの要求が加熱する場面もあった様子。「練習から妥協はしたくないし、試合でさらにやんなきゃという気持ちになれば」。プロフェッショナルな姿勢が産んだゴールだった。

 鈴木の大活躍もあり、鹿島は前節広島戦(●0-3)の大敗から立ち直って4-1の圧勝。「あのひどい負け方は選手、監督、スタッフ、全員が傷ついた。自分たちの良さも出せなかったので、今日はウォーミングアップからあの試合を繰り返さないようにという思いで、入りから相手を圧倒できた」。鈴木自身も今季6ゴール4アシストで、スコアポイント(得点+アシスト)を早くも二桁に乗せた。

 もっとも、個人記録に満足する様子は欠片も見られない。「まだ始まったばかりなので大きくは言えない。シーズンが終わった時に優勝して、そこも数字として残せればいいかなと思っている。まだ通過点だと思う」。そう力を込めた鈴木は優勝争いのライバルチームにフォーカス。「今日は川崎とマリノスも勝った。我慢比べみたいになっているけど、うちも絶対に引く気はない。毎試合ベストを出して勝てるように。チームとして続けることが大きな課題」とすでに次の試合を見据えていた。

(取材・文 竹内達也)
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