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鹿島を牽引する鈴木優磨、PK譲ったエヴェラウドの復活は「自分のミッション」

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今季2年半ぶりに鹿島に復帰したFW鈴木優磨

[7.2 J1第19節 柏1-2鹿島 三協F柏]

 鹿島アントラーズの最前線でロングボールのターゲットとして柏の守備陣とエアバトルを繰り広げていたFW鈴木優磨は、前半アディショナルタイムにDFキム・ミンテのフィードで競り勝ち、柏のGKとDFの間に頭で落とすと、FW土居聖真の決定機を演出する。土居のシュートはGKにセーブされてしまったが、その流れの左CKからキム・ミンテが頭で合わせて先制点を奪った。

 後半に入って柏レイソルに同点を許してしまい、その勢いのままに柏に攻勢をかけられていた鹿島だが、一瞬のスキを突くプレーで流れを好転させる。MFディエゴ・ピトゥカのスローインを鈴木は胸トラップで処理してペナルティエリアに進入すると、DF上島拓巳のファールを誘ってPKを獲得した。自らがキッカーを務めるかと思われたが、ペナルティスポットに立ったのは、FWエヴェラウド。このPKを譲った背景には、ある思惑があったと鈴木は言う。

 試合前日である1日に、チームはFW上田綺世のセルクル・ブルージュ(ベルギー)への移籍を発表。リーグトップの10ゴールを挙げている日本代表ストライカーを欠いて、残り16試合を戦うことを余儀なくされていた。

「綺世が抜けたいま、エヴェラウドにかかる期待はすごく大きい」という鈴木は、「もう一度復活させるのは、自分の中で大きなミッション」と宣言。2020シーズンはリーグ2位の18得点を挙げていたが、昨シーズンはわずか1得点と低調な出来に終わっていたブラジル人ストライカーに、輝きを取り戻させることを自らに課した。その期待に応えて、エヴェラウドはPKを成功させ、敵地から勝ち点3を持ち帰った。

 試合中は手を叩きながら周囲に声をかけ、PK獲得後には目の前にいた鹿島サポーターに雄叫びをあげて煽るなど、文字通りチームを牽引していた背番号40。エースストライカーの移籍にも「間違いなくチームにとっては痛いですけど、それでも鹿島はだれが抜けた中でも勝ってきたチーム」と前を向いていた。

(取材・文 奥山典幸)
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