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横浜FM宮市亮が“国立激闘”仕上げる一発! 2年前モデルのスパイクにも苦労の跡「契約待ってます!」

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FW宮市亮がダメ押しゴール

[7.2 J1第19節 清水3-5横浜FM 国立]

 両チームを通じて8得点が生まれた国立競技場での熱戦、勝ち切った横浜F・マリノスのゴールラッシュを仕上げたのはFW宮市亮だった。「リードしている中で入ってチャンスがあるかなと思っていた。テル(仲川輝人)からいいボールが来て、決めることができてよかった」。これで今季2ゴール目。決して華々しい活躍を見せているとは言えないが、一歩一歩タイトルにつながる働きを続けている。

 この日は4-2で迎えた後半22分に投入され、左ウイングのポジションに入った宮市。すると同43分、左サイドで華麗なルーレットを見せたFW仲川輝人のパスに反応し、ゴール前に飛び込んだ。「絶対に入れないといけないシーンだったので、ちょっと緊張したけど、決めることができてよかった」。滑り込みながらワンタッチで放った左足シュートはGK権田修一の手を弾いてゴールへ。直後、ともに途中出場した仲川とともに喜びを爆発させた。

 宮市にとってはJリーグ初ゴールとなった5月18日の浦和戦(△3-3)以来、1か月半ぶりの得点。その試合後には「個人的には嬉しいけど、それよりも追いつかれてしまった悔しさが残る試合になった」と複雑そうな表情で語っていたが、今度は勝利につながるゴールとなった。「自分のゴールとはいえ、あそこまでつないでくれた仲間たちあってのゴール。ゴールを決めて勝利できたことがうれしい」。この日の試合後にはチームメートを称えながら素直に喜びを表現した。

 6月上旬の天皇杯で負った左ハムストリングの怪我の影響もあり、ここ2試合はいずれも途中出場。今季の先発試合数も6試合にとどまっており、決してチーム内の序列は高くない。それでも「自分のスピードというところはチームでも求められている。後半途中からスピードのある選手が入ってくると相手も嫌なのかなと思うし、自分の役割を考えながらやっていきたい」と前向きさな宮市。高卒でアーセナルに加入した華やかなキャリアからは想像できないほど謙虚な姿勢がさまざまな場面で顔をのぞかせる。

 たとえば足元で輝くツートンカラーのスパイクが象徴的だ。宮市は現在、プーマの『フューチャー』を着用して試合に出場しているが、ピンクとイエローの『5.1』シリーズは2020年夏に発売されたもの。トップ選手はリニューアルごとに履き替えるのが一般的だが、いまも履き続けている理由を尋ねてみると「契約がないので、契約していた時のものを履いている」のだという。

 宮市ほどのキャリアを持つ選手であっても、メーカーからの契約が得られないという現実。それでも当の本人は「あのスパイクはずっと自分に合っているし、たくさん残っているので一つずつ履き古している感じです。物持ちがいいということで(笑)」と苦労の跡をサラリと話し、「『契約待ってます!』って書いておいてください」と明るく事情を教えてくれた。

 首位を走るタイトルレースにおいても、地に足のついた姿勢は変わらない。「タイトルを目指してやっているけど、チームとしては1試合1試合をやっていこうという共通認識を持っている。あまり先を見渡しすぎず、頑張って戦っていこうというスタンスでやっていきたい。まだまだ先は長いし、日程もタイトだし、あまり先のことは見られない」。この夏でJリーグ初参戦からちょうど1年。宮市亮は過去のキャリアを誇ることなく、謙虚な心持ちで自身の存在をJリーグの歴史に刻もうとしている。

(取材・文 竹内達也)
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