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「フットボールへの欲は常に消えない」、栃木に勝利もたらした19歳MF植田啓太の飽くなき向上心

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栃木に勝利をもたらしたMF植田啓太

[7.10 J2第26節 千葉 0-1 栃木 フクアリ]

 劣勢から一瞬の光明を見出した栃木SC。決勝点をもたらしたのは19歳MF植田啓太だ。得点直後には喜びを爆発させたものの、試合後には冷静な様子。「決めたときは嬉しかったんですけど、もっとチームに貢献したいとか、もっと働けるだろうとか欲がありました」。プロ2点目の喜びもつかの間、さらなる成長を望んでいた。

 序盤はジェフユナイテッド千葉の猛攻を受けた。栃木にとって攻撃らしい攻撃のシーンが訪れたのは前半42分。しかし、それが決勝点となった。DF鈴木海音の絶妙なロングフィードに、DF黒崎隼人が反応。ダイレクトで右サイドからクロスを上げると、ゴール前に詰めた植田が体を投げ出してヘディングシュート。一瞬のカウンターで先制点を奪ってみせた。

「あそこは常に入ろうと決めている場所。今日はクロくんがいいボールを上げてくれたので、そこを落ち着いて決めることができてよかったです」(植田)。接戦をモノにしたことで得られた自信。「もっとやれることはある。伸びしろだらけのチームだと思いますし、個人としてもまだまだ伸びていけるなっていうのはすごく感じられた」と手応えを口にした。

 得点直後には喜びを爆発させた一方で、試合直後のフラッシュインタビューや囲み取材時には、19歳とは思えないくらい冷静に試合を振り返った。その理由は自身のサッカーに対する欲があるという。

「決めたときは嬉しかったんですけど、もっとチームに貢献したいとか、もっと働けるだろうとか欲がありました。得点も取りたいですし、もっとうまくなりたいですし、もっとチームに貢献したい。小さいときからサッカーをやってきた思い。さらに向上したいという、フットボールへの欲は常に消えない。そこの欲は常に持っています」。

 横浜F・マリノスの育成組織出身。21年にトップ昇格を果たすと、栃木に武者修行に出た。今季は修行2年目となる。「去年も試合に絡めていない中で、欲は常に持っていました。失敗や成功はすごく財産になっている」。もともとはボランチだったが、現在は前線で攻撃的にプレー。「最初はちょっと迷いながらやっていました」と本音も垣間見せつつも、「足りないところもどんどん伸ばしていかないといけないですね」と意欲的だ。その持ち前の向上心がチームに価値ある勝利をもたらした。

(取材・文 石川祐介)
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