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攻守でタフに闘った広島MF満田誠「競り合いや球際で絶対に引くなと言われていた」

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サンフレッチェ広島MF満田誠

[8.6 J1第24節 鹿島 0-2 広島 カシマ]

 終盤まで0-0の接戦が続いた中、サンフレッチェ広島のMF満田誠は豊富な運動量と献身性でチームを支えた。「相手がロングボールでFWに当ててくるのは分かっていたので、競り合いや球際で絶対に引くなと試合前から言われていた。そこは本当に負けちゃいけないバトルだなと思っていたので、そこで引かずに相手と戦うことができたからこそ、こうして勝ちにつながったと思う」。そんなメンタリティーでルヴァン杯準々決勝・横浜FM戦(○3-1)から中2日の連戦をタフに戦い抜き、強敵相手の連勝劇に大きく貢献した。

 相手が勢いよく攻撃に出てくれば懸命なスプリントでプレスバックし、ひとたびボールを奪えば鋭い持ち上がりで敵陣に侵入——。後半アディショナルタイムまで走り切ったルヴァン杯の横浜FMからわずか3日後、満田が敵地カシマの地で見せたパフォーマンスも素晴らしいものだった。

「相手も縦に速いサッカーで、奪った瞬間に前線の選手に当てて、選手がどんどん湧き出てくるというのはわかっていた。失った瞬間、ビルドアップの時点で、自分の後ろにボールが行ったら戻らないとやられると思っていた。そしてそれだけ攻撃に人数をかけてくれるということは、守備から攻撃に切り替わった時にチャンスになるということ」

 そんな言葉どおり、やや劣勢気味の前半13分にはMFディエゴ・ピトゥカへの激しいプレッシャーでボールを奪い、そのままボールを持ち上がってFWナッシム・ベン・カリファへ惜しいパス。同17分には自陣中央でのパスカットから自らドリブルで敵陣に切れ込み、タメてからのパスでMF森島司の強烈なシュートを演出した。

 もっとも、満田にとってこの2シーンは“惜しい”では満足できなかったようだ。「どちらか決め切れていればもっと楽な試合展開になっていたと思うので、そこの精度はもっとこだわっていきたい」。あくまでも自身の課題に目を向け、さらに視座を高めようとしていた。

 とはいえ、そうした接戦の中で、広島ユースでも同期だったMF川村拓夢が試合を決めたことには感慨があった様子。「高校を卒業して、プロになって相当苦労していたのを知っていた。その中であそこに入ってきてあそこにいるのは持っているなと思うし、これまで頑張ってきた努力や腐らずやってきたことが報われたと思う。自分のことのようにうれしかった」。満田はユースから昇格できずに流通経済大経由で加入。川村はユースから昇格するも昨季までJ2の愛媛で3年間武者修行しており、異なる場所で下積みを乗り越えてきた旧友の成果に頬を緩めていた。

 自らはJ1リーグ4試合目となった第6節・湘南戦でJ1初ゴールを記録し、ここまで5ゴールを挙げてA代表にまで上り詰めた。今季6試合目で待望の初ゴールを奪った同期にとっても、この得点が大きな励みになると信じている。「今まで苦労したぶん、この1点で自信になると思う。自分もそうだったように、1点取るだけで自信になる」。川村の飛躍にも期待を寄せた満田は「もっとすごい選手になるし、自分も負けていられない。同期で引っ張っていければ」と決意を新たにした。

(取材・文 竹内達也)
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