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川崎Fジェジエウが90+9分劇的決勝ヘッド弾!! “等々力劇場”で首位・横浜FM撃破

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FWレアンドロ・ダミアンが先制点

[8.7 J1第24節 川崎F 2-1 横浜FM 等々力]

 J1リーグは7日、第24節を各地で行い、川崎フロンターレ横浜F・マリノスとの上位対決を2-1で制した。前半25分、長いパスをつないだ速攻から川崎Fが先制したが、同45+3分に横浜FMも鋭いカウンターから同点弾。そのまま試合が終わるかと思われたが、後半アディショナルタイム9分に川崎FのDFジェジエウが劇的な決勝ゴールを決め、土壇場で勝ち点3をもぎ取った。

 試合前時点では勝ち点48で首位を走る横浜FMに対し、2試合消化が少ない状況で勝ち点37の川崎F。横浜FMが勝てば優勝に大きく近づき、川崎Fが勝てば3連覇に希望が残るという構図での神奈川ダービーとなった。敵地に集まった横浜FMサポーターは選手入場時、シャーレを模したトリコロールのコレオグラフィーも披露した。

 ホームの川崎Fは7月下旬から新型コロナウイルスの感染者が続発し、フィールドプレーヤーの代わりにGKを複数ベンチ入りさせる試合が続いていたが、この日は久々にGK2人+フィールド16人のメンバー登録が実現。EAFF E-1選手権から出場のなかった日本代表DF山根視来も先発に復帰した。対する横浜FMはリーグ前節の鹿島戦(○2-0)から2人を入れ替え、DF松原健とDF實藤友紀に代わってDF小池龍太とMF藤田譲瑠チマが入った。[スタメン&布陣]

 最初のチャンスは川崎F。前半5分、FW家長昭博とのワンツーで右サイドを攻め上がったMFチャナティップが鋭いクロスを送るも、GK高丘陽平に阻まれる。さらに同6分、DFジェジエウのフィードにFWマルシーニョが抜け出したが、胸トラップで収めたところでDF岩田智輝かカバー。対する横浜FMも同7分、小池とFW仲川輝人が右サイドを立て続けに攻め、川崎Fゴールに迫る。

 その後も激しい攻防が続くと、川崎Fは前半9分、右に開いてサイドチェンジを受けたチャナティップのクロスがファーサイドに届き、家長がシュート性のクロスを送るも高丘がセーブ。横浜FMは同10分、FWエウベルがチャナティップをかわして左サイドを攻め込むも、クロスはDF谷口彰悟にカバーされ、互いになかなかチャンスを活かせない。

 局面で激しいせめぎ合いが続く中、川崎Fは前半14分、自陣からのロングフィードを受けたマルシーニョが左で仕掛け、マイナスへの折り返しをMF脇坂泰斗が狙ったが、これはゴール左外へ。同19分、横浜FMは敵陣左サイドで獲得したFKをDF永戸勝也がゴール前に送りこむと、こぼれ球を拾ったエウベルが左足で狙うも、こちらも枠を外れた。

 それでも前半25分、ホームの川崎Fが先手を取った。左サイドからのスローインを起点にボールを最終ラインに戻すと、谷口が右サイドにロングフィードを供給。これに反応した山根が浮き球のままワンタッチでゴール前に送り、絶妙なタイミングで抜け出していたFWレアンドロ・ダミアンがヘディングで押し込んだ。ダイナミックかつ精度の高い速攻によるスーパーゴール。L・ダミアンはこれでJ1通算50ゴールとなった。

 飲水タイムを挟んだ前半30分には横浜FMにアクシデント。中盤での球際の競り合いでFW西村拓真がL・ダミアンに右足を踏まれると、ファウルを取られた上に負傷。一度はピッチに戻ったが、プレーを続けることができず、同33分にMFマルコス・ジュニオールとの交代を強いられた。

 それでも前半アディショナルタイム3分、横浜FMが同点に追いついた。川崎Fが素早い速攻から右サイドを攻め込み、山根が鋭いクロスボールをゴール前に送るも、これをDFエドゥアルドが頭でクリア。すると今度は横浜FMの速攻がスタートし、マルコスとのワンツーからエウベルがドリブルで仕掛け、スルーパスに仲川が反応。背中でDF橘田健人を制しながらゴール前に切れ込むと、最後はGKチョン・ソンリョンの頭を越すループシュートで沈めた。

 そのまま試合は後半へ。最初のチャンスは8分、川崎Fは山根の鋭いボール奪取から敵陣に攻め込むも、マルシーニョのパスを受けたL・ダミアンのシュートはエドゥアルドに跳ね返される。さらに同15分、ゴール前の細かい崩しから家長が右足ミドルシュートを放ったが、これも枠外。同17分、川崎Fは最初の交代カードを使い、チャナティップに代わってFW遠野大弥を入れた。

 対する横浜FMはA・ロペスに代わってFWレオ・セアラを投入。すると同20分に決定機を迎えた。敵陣深くにプレッシャーをかけ、ジェジエウのパスをエウベルがカットすると、こぼれ球を拾ったMF藤田譲瑠チマが素早く縦につけ、エウベルの折り返しにMF喜田拓也が反応。だが、ゴール前に潜り込んでの左足シュートは右のポストに弾かれた。

 対する川崎Fは後半22分、脇坂の右CKにジェジエウが飛び込むと、ゴール前に落ちたボールにマルシーニョが反応。だが、力強く放ったシュートはエドゥアルドの決死のブロックに阻まれ、絶好機を逃す。飲水タイム明けの同26分には脇坂とマルシーニョに代わってMF瀬古樹とFW小林悠を投入。システムを4-4-2に変更し、攻撃への圧力を強めた。

 そのまま主導権を握った川崎Fは瀬古のセットプレーで攻勢を続けるが、エドゥアルドの高さに阻まれる。すると後半35分、この試合で笛を吹いていた木村博之主審にアクシデント。約5分間弱の中断の末、第4審に入っていた佐藤誠和氏が主審を務めた。今季からJ2リーグで笛を吹いている佐藤主審はこれがJ1デビューとなった。

 続く後半36分、横浜FMにもアクシデント。喜田が足を痛めてプレーを続けることができず担架で運び出され、MF山根陸を投入する。またこのタイミングでエウベルも下がり、FW水沼宏太が送り出された。川崎Fは同45分、L・ダミアンに代わってDF山村和也を最前線に投入した。

 選手と主審の負傷が続いたため、アディショナルタイムは8分間。アディショナルタイム3分、川崎Fは敵陣左サイドで遠野が小池のファウルを誘ってFKを獲得するが、瀬古のキックは大きく逸れてゴールラインを割る。横浜FMは同5分、右サイドの崩しからレオ・セアラが狙うも、チョンのファインセーブに阻まれる。同7分、川崎Fはジェジエウも上げたパワープレーから山根がゴール前に攻め込むも、横浜FMの岩田がスーパーブロックを見せた。

 それでも後半アディショナルタイム9分、最後の最後にドラマが待っていた。谷口のロングフィードを小林がつなぎ右サイドを家長が攻め上がると、インスイングのハイクロスに攻撃参加していたジェジエウが反応。高い打点からヘディングシュートを突き刺した。試合はそのままタイムアップ。“等々力劇場”で死闘を制した川崎Fが勝ち点3を奪った。

 これで首位の横浜FMと川崎Fとの勝ち点差は「8」。川崎Fは2試合消化が少ないため、逆転優勝の可能性を大いに残す勝利となった。

(取材・文 竹内達也)
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データ提供:Opta
※大会の公式記録と異なる場合があります

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