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鮮やか“ダイレクトクロス”も炸裂!! 川崎F山根視来が覚悟の復帰戦フル出場「負けたら終わりだと思っていた」

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大一番で復帰したDF山根視来(左から2人目)

[8.7 J1第24節 川崎F 2-1 横浜FM 等々力]

 激闘の序章を告げる川崎フロンターレの先制点は、ダイナミックかつ高精度な速攻から生まれた。圧巻の”ダイレクトクロス”でゴールを演出したDF山根視来は復帰戦での大仕事。試合後には「今日の試合に負けたら終わりだと思っていた」と述べ、首位の横浜F・マリノス戦に向けた覚悟を明かした。

 勝てば逆転優勝に望みをつなげる大一番。0-0で迎えた前半25分だった。最終ラインでパスを受けたDF谷口彰悟のロングフィードが右サイドに送り込まれると、「最近は谷口選手とああいうところで目が合うし、トレーニングでもああいう形を出せていた」という山根が相手の先手を取る形で反応。その時すでにゴール前の様子が見えていたという。

「ダミアン選手がオフサイドラインにいたのは確認できていたので、抜け出したタイミングで平行に上げれば決めてくれると思った」。山根はFWレアンドロ・ダミアンがオフサイドにかからないようにゆっくりをボールを迎え入れると、相手のラインが揃った時点でワンタッチでクロスを供給。これが見事にGKとDFの間を突き、L・ダミアンのヘディングシュートを導いた。

 日本代表活動時から戦線を離れていた山根にとって、この日は7月19日のEAFF E-1選手権以来となる実戦復帰。さっそくの大仕事となった。「(欠場していたルヴァン杯の)セレッソ戦はみんなの頑張りが試合を見ていて心にくるものがあった。今日は90分行く覚悟を持っていたので、一人のサッカー選手として、ここで結果を残さないといけない覚悟を持っていた」。そんな気持ちを結果で表現してみせた。

 前半アディショナルタイムには自身のクロスが相手にクリアされ、そこからカウンターで失点。「点を取りに行くところで僕のクロスを跳ね返された形だった。ラスト何分という声が出ていたのに、相手が前向きにプレーできる選択をしてしまったのが大きなミス」と振り返る反省点もあった。それでも「ショックは大きかったけど、ハーフタイムに入れたことで上手く切り替えられた」と後半へ。試合前に心に決めていたとおり、劇的な結末を迎えたタイムアップまで走り抜いた。

 この勝利により、2試合多く残す川崎Fは横浜FMとの勝ち点差を8に縮めた。試合後、ピッチに倒れ込んで安堵の表情を浮かべていた山根。「ああいう劇的なシーンでチーム一丸となって喜び合えたことにチームを感じたし、この試合に残りのシーズンかかっていると思っていた。やり切った。全てを出し切ったと言う感情だった」。そんな姿には決勝アシストのMF家長昭博も「日本代表で多くの経験をしているし、心配はいらなかった。キツかったと思うけど、いろんなものを背負っている選手はやっぱり違うなと思った」と称賛の言葉を送っていた。

(取材・文 竹内達也)
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