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岩政新体制で蘇った鹿島…FW鈴木優磨が感じた“変化”「俺らに必要だったのは信頼されること」

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試合後、労い合うFW鈴木優磨と岩政大樹監督

[8.14 J1第25節 鹿島2-0 福岡 カシマ]

 岩政大樹監督の就任初陣、ここまで5試合勝ちのなかった鹿島アントラーズが見事に蘇った。これまで鳴りを潜めていた躍動感あふれるオフザボールの動きが序盤から見られ、相手を押し込んだ序盤のうちに先制点を奪うと、消耗しがちだった終盤も落ち着いて堅守を継続。最後は“新生アントラーズ”を印象付ける追加点も奪い、約1か月にわたって遠ざかっていた白星を掴み取った。

 試合後、先制点につながるチャンスメークを果たしたFW鈴木優磨は「前半1-0で終わった時も、新しいアントラーズを見せようと話した。昔のアントラーズなら守りに行って、1-0という形が多かったけど、俺らがこれから作るアントラーズでは、1点、2点、3点と相手をもっと制圧しようと大樹さんも言っていた」と明かし、「そこでエヴェ(エヴェラウド)の追加点が取れたのはチームとして大きなポイントだった」とこの日の戦いぶりに手応えを語った。

 鹿島はなぜ躍動感を取り戻すことができたのか。鈴木は得点後に熱い抱擁をかわした新指揮官への全幅の信頼を重ね重ね強調した。

「いま俺らに必要だったのは、戦術もそうだけど、信頼されるということ。そこを今日の試合を通しても感じたし、サッカーをやっている人ならわかると思うけど、その人のために頑張りたいと力を発揮できる。大樹さんが監督になって、どの選手も自分が重要な選手だと感じられるようになっている。これはすごく重要なこと」

 信じてもらえるからこそ、信じることができる。そんな関係性はこの日の起用からも感じ取れた。終盤の守勢で起用されたのは今季は出番のなかったDF林尚輝で、技術の高いMF小川優介も初のベンチ入り。先発組を見ても、1点リードで迎えた前半途中に相手がクロス攻勢に来るや2列目の並びを変え、MF土居聖真やMF仲間隼斗の個性を活かす策を打っていた。

 鈴木はそうした指揮官の采配について「誰を出したらチームがこれからいい方向に進むかを分かってやっているし、それをものすごく計算して選手側の気持ちになってやってくれるし、それが選手にも伝わってくるのでやりやすいなと思う」と絶賛。「俺は大樹さんをすごく信用しているし、大樹さんなら絶対について行くと決めている。俺だけでなく全員が思っている」と力説した。

 初陣を勝利で終えたことで「間違いなくチームはいい方向に行っている。一発目の相手が福岡で非常に固いイメージがあったけど、今週のトレーニングは誰もが手応えを掴めていたので勝ててよかった」とホッとした様子も見せた鈴木。「あそこまでピッチ横でも戦ってくれるのは選手の心を揺さぶるし、間違いなくいまの鹿島の監督は大樹さんが一番相応しい。あとはその信頼を俺たちがどれだけピッチ上で示せるか。この一戦の熱量を毎試合続けていくことが大事だと思う」と新体制の未来をポジティブに見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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