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広島は上位対決で大敗喫す…横浜FM、川崎Fとの優勝争いから一歩後退、スキッベ監督「この2チームは現状で力は上」

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大敗を喫した広島

[9.10 J1第29節 川崎F 4-0 広島 等々力]

 サンフレッチェ広島は4失点で大敗。横浜F・マリノス、川崎フロンターレとの優勝戦線から一歩退く形になった。ミヒャエル・スキッベ監督は「この2チームは、現状で力は上である」と敗北を認めていた。

 公式戦8連勝で好調を維持していた広島は、川崎Fとの上位対決でも序盤は拮抗。しかし、徐々に持ち味のプレスをかいくぐられて失点を重ねた。前半34分にFW家長昭博に先制ゴールを許すと、後半に立て続けに3失点。0-4と大差がつく形となった。

 スキッベ監督は「川崎フロンターレに称賛を送りたい。きょうは最初の25分、30分くらいまでしか自分たちの攻撃的サッカーを見せることができなかった」と振り返る。「似たような敗戦は(7月6日第20節●0-3)横浜F・マリノスとのアウェーでもあった。この2チームは、現状で力は上である」。2試合多く消化している中でも首位・横浜FMとは勝ち点5差に。7年ぶりの優勝は苦しい現状となった。

 MF柏好文は川崎Fの印象を語る。「クオリティがまず高い。自分たちのシステム的にはミスマッチのところをしっかり間を取って、距離間や角度をつけるところ、走るところの連動性の完成度は非常に高い。ゴール前のクオリティや得点シーンもそうですけど、入ってきた3人目の連動性、関係性が非常にクオリティが高かった」。

 それでも完敗を喫した試合後、広島の選手たちは切り替えを強調。「いまのサッカーに手応えはあります。いちいち考えても、ルヴァン杯と天皇杯両方ありますし、優勝は相手次第ですけどこの位置にいるということは非常にいいこと。自信を持っていきたい」(柏)。「こういったゲームを引きずらないほうが大事」(GK大迫敬介)。選手たちはロッカールームでスキッベ監督から言葉をかけられたという。

「(監督は)0-4で1回負けるほうが、0-1で4回負けるよりいいと。たしかに納得したし、次から始まる試合で何回も負けるよりはいいよなと。そういう意味でいい声掛けをしてくれたので、下を向く必要はないし、悲しむ必要もない。なかなかこういう勝負で言えることじゃないと思います。僕たちの育った環境では負けたときは下を向きがちですけど、自分たちを前向きにさせてくれる声掛けは監督から常にしてくれる。僕自身35歳ですけど、35歳で成長できているという伸びしろの部分も言ってくれているので、そう思わせてくれるような声かけをしてくれる」(柏)

 J1リーグは残り5試合。ルヴァン杯と天皇杯も勝ち進んでおり、3つのタイトルの可能性を残す。「また連勝すれば、自分たちの立ち位置は変わるということは再確認できた。やってやろうかなって思います」(柏)。他チームの動向を気にせず、自らの勝利を目指していく。

(取材・文 石川祐介)
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