beacon

名古屋内定の関西学院大3年MF倍井謙、大学経由で掴んだ“最強世代”の帰還…パリ五輪への思いも

このエントリーをはてなブックマークに追加

関西学院大MF倍井謙が古巣・名古屋に帰還

 名古屋グランパスは11日、関西学院大MF倍井謙(3年=名古屋U-18)の2024シーズン加入内定を発表。同日にオンライン会見を行った。育成組織出身のアタッカーが再びクラブに舞い戻る。「夢見ていたピッチでプレーできることをワクワクしています」と喜びを語った。

 名古屋U-18でクラブユース選手権とJユース杯の2冠を手にした“クラブ史上最強世代”の一人。クラ選では得点王にも輝いたアタッカーは大学でさらに力を蓄え、全日本大学選抜の一員としても名を連ねている。山口素弘GMは「在籍当時から才能を持っている選手でした。特に得点力、ドリブル、攻撃面で非常に光るものがあった」とその印象を語りつつ、関学大でのさらなる成長を確認。「名古屋のトップに加わってこれる力をつけてきたという判断を持ちまして、クラブから倍井選手にオファーをして返事をいただいた」と獲得に至ったという。

 山口GMは今後の倍井に「怖い選手になってほしい」と要求する。「上手いのはアカデミーから思っていました。僕が見ていて本当に伸びたのは、高3の夏の大会(クラ選)で優勝して得点王になったとき。その前まではドリブルとスピードで切り込んで、非常にいいところまでは行くが……で終わっていたが、フィニッシャーとして結果にプレーが結びつく、非常に怖い印象になってきた。大学に行ってハードワークもできるようになってきた。当然、まだまだ成長しなければいけない部分はありますが、十分豊田スタジアムでプレーする価値のある選手になってきたなというところです」。

 最強世代がまた一人返り咲いた。同期のMF榊原杏太(立正大)も春先に加入が決定。今シーズン前には榊原ら数名で名古屋のキャンプに参加しており、「いろんな話をして、名古屋で一緒にプレーをする喜びを感じていました」と復帰を誓っていた仲だ。

 倍井が大学経由名古屋行きの決意を新たにしたのは、名古屋U-18での最後のとき。2冠を達成した名古屋U-18だが、12月の高円宮杯プレミアリーグファイナルで青森山田高と対戦すると、接戦の末にMF松木玖生(現FC東京)に決勝弾を挙げられて終戦。高校年代の頂点に立つことは叶わなかった。

「僕らは歴史的な結果を一年で残しましたけど、最後の一番重要なところで勝てなかった。敗戦後に古賀(聡)監督の話があって、最強世代を名乗るのはみんなの大学での出来による、当時のメンバーからどれだけ名古屋に帰ってこれるかの戦いが始まるという話をされました。みんなそれぞれ場所が違いますけど、お互い刺激し合って活躍しています。杏太とはキャンプでもお互い戻ろうという話はしていました」

 小学校一年生からサッカーを始めた倍井にとって、豊田スタジアムは憧れの場所だ。エスコートキッズとして一緒に歩いたのはマギヌン。選手としてのアイドルは玉田圭司だったという。サッカー選手への憧れを胸に、エデン・アザール(R・マドリー)を参考にしてドリブルを磨き上げた。大学出身のJリーガーとして目標にするのは、筑波大卒から川崎フロンターレで大ブレイクしたMF三笘薫(ブライトン)だ。

 さらに、2001年生まれの倍井は、大きな目標として2024年パリ五輪を挙げる。「本当に僕はドンピシャでその世代。パリ五輪に出たい気持ちはすごく強い。そういう点では、来年いかに名古屋で試合に出られるかに懸かってきますし、プロ一年目でどれだけインパクトある活躍ができるかが代表に関わってくる。日頃からいかに意識高く持って取り組めるかというところがカギになってくる。そこは常に意識してやっています」。加入まで残り一年半。名古屋復帰の夢を叶えた倍井は、さらなる目標に歩を進めるつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2022シーズンJリーグ特集ページ
●DAZNならJ1、J2、J3全試合をライブ配信!!

TOP