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「一希くんのために」深井一希を襲った4度目の前十字靭帯断裂に札幌イレブンの思いは一つ

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試合後、全員が背番号8のユニフォームを着てサポーターへのあいさつを行った

 またか…。そんな声が思わず漏れた。試合前に北海道コンサドーレ札幌から非情なリリースがされた。MF深井一希の負傷を知らせるもので、診断名は「右膝前十字靭帯断裂」。15日の練習中に負傷したと記されていた。

 札幌の下部組織出身で、13年にトップチーム昇格後も札幌一筋でプレーする深井だが、プロ1年目の11月に左膝の前十字靭帯を断裂。翌年復帰するも、今度は右膝の前十字靭帯を断裂。そして17年にも左膝の前十字靭帯を断裂していた。

 靭帯断裂以外にも怪我が多いイメージの深井だが、今季はリーグ戦23試合に出場。今月11日の磐田戦でも途中出場して、チームを勝利に導いていた。

 またも襲った試練。負傷した時は歩けていたことで周囲もそれほど重い怪我だとは思わなかったというが、診断結果は非情なもので、イレブンの間にも大きな動揺が広がっていた。

 それでも大事な試合は続いていく。残留争いをする札幌にとって、大事なのは勝ち点を1つずつでも積み上げること。復帰の舞台をJ1で用意することが、深井の復帰に向けた励みになると信じて戦っていくしかない。

 ゴール裏のサポーターからは、「深井へ勝利を届けよう」という横断幕が掲げられた。結果はドローだったが、熱い戦いをみせたイレブンは試合後、全員が深井の背番号8のユニフォームを着て、サポーターのもとで改めて今後の戦いに向けた士気を高めていた。

 選手たちも思いを一つにする。DF田中駿汰が「みんなで一希くんのためにという思いは試合前からあった。一番辛いのは一希くんだと思うので、僕らはしっかりと結果で安心させたい」と語ると、最近まで怪我で離脱していたMF小柏剛も、「リハビリ期間中に声をかけてくれたのも深井選手だった。復帰は来年になると思うけど、絶対にJ1で待たないといけない」と表情を引き締める。

 普段から食事やサウナに行くなど、特に仲良くしているというMF金子拓郎は、LINEでメッセージを交換したことを明かすと、「僕たちには計り知れない辛さがあるはず。コンサドーレに絶対に必要な選手。また強くなって帰ってきてくれると思うので、サポートしていきたい」と思いを語った。

(取材・文 児玉幸洋)
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