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プロで活躍し、代表でまた「一緒に」。昌平高のFC東京内定MF荒井悠汰と鹿島内定CB津久井佳祐が合同記者会見で意欲

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昌平高FC東京内定MF荒井悠汰(左)と鹿島アントラーズ内定CB津久井佳祐主将が記者会見に臨んだ

 27日、「昌平高等学校サッカー部 Jリーグ加入内定選手合同記者会見」が埼玉県北葛飾郡杉戸町の昌平高で開催された。同校のFC東京内定MF荒井悠汰(3年、U-19日本代表候補)と鹿島アントラーズ内定CB津久井佳祐主将(3年、U-17日本高校選抜)が出席。荒井は「幼い頃からの夢であったプロサッカー選手としてのキャリアをFC東京から始められることを嬉しく思います。サポーターから愛される選手になりたい。応援よろしくお願いします」と語り、津久井は「いち早く鹿島アントラーズの力になれるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」とそれぞれプロのステージでの意気込みを語った。

「育てて勝つ」を掲げる昌平からのプロ入りは、7年連続となる。荒井と津久井は昌平の系列組織であるFC LAVIDA時代からのチームメート。自宅は自転車で20分ほどという距離で、今でも自転車で一緒に行き帰りするという仲だ。その2人が隣に並んで記者会見に臨んだ。

 2人は「照れくさい」「アイツ、緊張していましたね」と微笑。ただし、2人は6年間ともにプレーしてきた“ライバル”について高く評価する。荒井は津久井について「自分は前から佳祐が高校ナンバー1CBだと思っていたので、J1の鹿島アントラーズに内定してとても嬉しかったです。(あまり明かされていないところは)意外な場面があって、学校では静かめなんですけれども、(実は熱くて)ゴールを決めたら煽ったりというがあります」と説明し、津久井は荒井について「ずっと自分よりも上の存在で、ずっと雲の上というか、悠汰がいるからオレが活きているというか、悠汰様々でした。(追いついてきた?)ちょっと。(藤島崇之)監督も言っていましたけれど、(荒井は)本当にサッカー小僧。ストレッチもするし、食事も気をつけるんですけれども、サッカー終わると真逆ですよ」と話して周囲を笑わせた。

 荒井は強豪・昌平で1年時から先発に名を連ね、昨年から10番を背負うレフティーだ。圧倒的なパワーとテクニックを併せ持ち、得意のドリブル、ラストパス、シュートで違いを生み出す。高校2年生だった今年2月にFC東京加入が内定。すでにプロデビューを果たしており、ルヴァンカップ3試合に出場している。

 FC東京強化部スカウトの吉本一謙氏は、1年時から荒井をチェック。2年時には「昌平のスタッフか、というくらいほぼ毎試合」(吉本スカウト)見続けて「しっかりとしている技術と強さを兼ね備えていて、ドリブルで個で剥がして行く力がある。ピッチ外でも向上心が強い」ところを評価した。

 荒井は、FC東京で初となる高体連所属の高校2年生での内定、特別指定選手に。また、吉本スカウトは、記者会見でFC東京・アルベル監督の「しっかりと若手選手が持つべく挑む姿勢だったり、ミスを怖れずにチャレンジする姿勢は昌平高校さん、LAVIDAさん、ご両親、ご家族の方々の協力のお陰で養われたものなので、感謝を伝えて下さい」というコメントを紹介し、感謝を伝えた。

 一方の津久井は2年時から先発を務めた頭脳派のCB。ボールを奪う力などサッカーセンスに秀で、ビルドアップ、カバーリング、競り合いでも力を発揮する。今年は主将を務め、リーダーとしてもチームを牽引。インターハイ準々決勝で右足首脱臼、靭帯断裂の大怪我を負い、チームは続く準決勝で敗れるという悔しさを味わったが、評価を高めてプロ入りを勝ち取った。

 鹿島プログループスカウト担当の牛島真諭氏は、津久井を高校2年時から注目。「昌平のCBらしくない、『最後に津久井がいる』みたいなカバーリングも、インターセプトもそうだし、最後に嫌な選手がいるなという印象で見ていました」と説明する。

 特に今夏のインターハイでの活躍を絶賛。「決め手はインターハイのプレーでした。そのパフォーマンスを見て、将来、鹿島アントラーズで活躍できる選手になっていくんじゃないかと思ってオファーさせてもらいました。まず地に足をつけてしっかりとやって欲しい」と期待した。

 数か月後に2人はプロ生活をスタート。荒井は「自分の特長は、ドリブルからチャンスメークや身体の強さなので、サイドでボールを持った時のドリブルやゴールやアシストも見て欲しい。まずはFC東京の試合に出てしっかり結果を残して海外で活躍したい」と誓い、津久井は「自分のプレーの特長を見て欲しいですけれども、アントラーズは常勝軍団と言われているので勝ちにこだわるところも見て欲しい。先発に定着してリーグ戦やカップ戦でタイトルを獲得したい」と意気込んだ。

 ともに将来、日本代表に入れば、中高時代同様に同じユニフォームを来てプレーすることができる。まだ年代別日本代表歴の無い津久井は「しっかりアントラーズで結果を残して、(代表で)悠汰と一緒にできるように頑張りたい」と力を込め、今年U-18日本代表、U-19日本代表候補に選出されている荒井も「FC東京で活躍したい。勝利に貢献して、日本代表に選ばれたいです。(代表で津久井と一緒に)やりたいです。佳祐と一緒に戦いたいですね」とプロ入り後、日本代表で“再会”することも目標に加えた。

 FC東京、鹿島で試合に出ること、出続けることは簡単なことではない。それでも、昌平の藤島崇之監督が「この2人が厳しいプロの世界でどれだけ活躍できるか。本人次第だと思う。厳しい世界でもやれる2人だと思っている」と期待するように、最大のライバルが切磋琢磨しながら目標を一つ一つクリアしていく。
 
(取材・文 吉田太郎)
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