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「赤」を身に着けて「ワクワク」。昌平CB津久井佳祐は責任感を持ってプロ入りし、一つ一つ積み上げて鹿島を勝たせる存在へ

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昌平高CB津久井佳祐主将は鹿島アントラーズで積み重ねてタイトル獲得に貢献する

 記者会見後、初めて袖を通した伝統の赤。昌平高CB津久井佳祐(3年=FC LAVIDA出身)は、「みんなに『赤、似合わない』と言われたんですけれども、そんなことないかなと。これを着ている選手を見て育ってきたので、自分が着るというのでワクワクしているというのがあります」と来季から始まる鹿島アントラーズでの日々へ、決意を新たにしていた。

 津久井は27日、チームメートのFC東京内定MF荒井悠汰(3年)とともに「昌平高等学校サッカー部 J リーグ加入内定選手合同記者会見」に出席した。今月20日に23年シーズンからの鹿島加入内定が発表されてからちょうど1週間。練習参加を行わずに内定が決まった津久井は、「自分は(鹿島へ)行ったことも、(選手・現場スタッフとも)会ったこともないので、そういう不安はありますね」と口にしたが、高校年代屈指のCBは名門でプレーすることの責任感を持ってチームに加わり、一つ一つ積み重ねて行く意気込みだ。

 鹿島はJ1優勝8回、Jリーグカップ優勝6回、天皇杯優勝5回、そして、ACLタイトルも獲得しているクラブ。牛島真諭スカウトは、「ウチに入る以上は責任を持ってやってもらいたい」と語り、鹿島一筋で30年近くスカウトを続けてきた椎本邦一氏からも津久井に対して、同様の言葉が掛けられたという。“常勝軍団”鹿島にとって新加入選手の獲得は、高校生、大学生関係なく「補強」。戦力になること、活躍することを目指し、厳しい競争で生き残っていかなければならない。

 その上で牛島スカウトは、「ウチは生え抜きを育てるチームなので、大事にしたい。(津久井も)1年目から出たいのは分かるけれど、地に足をつけて」。まずはインターハイで負傷した右足首脱臼、靭帯断裂の怪我をしっかりと治すこと。鳥栖や湘南でスカウトを務めてきた牛島スカウトはキャンプ中の負傷で遅れを取るような選手も見てきている。それだけに、無事キャンプを過ごし、トレーニングを重ねながら鹿島らしい選手になっていくことを津久井に期待した。

 鹿島は津久井のクレバーさや状況判断の良さ、そしてボールを奪い取る力、ビルドアップ力などに注目。強化ポイントの一つとしていろいろなCBをチェックした上で、毎試合印象に残るような守備を続け、インターハイでも素晴らしいパフォーマンスを見せた津久井獲得を決断した。

「2、3年後に中心選手になれる素材はあると思う。鹿島で長くやって、タイトル獲れていないのでそこに関わって欲しい。(CBは)現代サッカーにおいていろいろなことをやらないといけないポジション。今までの鹿島っぽくないかもしれないですけれども、(多様な力を持つ津久井は)これから必要なCB。ゲームを支配する力を発揮してもらいたい」と牛島スカウト。現役時代は怪我に苦しんだものの、鹿島やC大阪でプレーした羽田憲司氏(元U-20日本代表主将。現U-21日本代表コーチ)のようなクレバーなCBという評価もある津久井は、生え抜きのCBとして鹿島を勝たせる選手になるか。

 津久井は「(年明けの)最初のキャンプで見せていきたい。自分、軽いプレーに見られがちなんですけれども『熱はあるよ』というのは伝えたい。(クレバーさが注目されるが、)クレバーだけじゃ生きていけないと思うので、アントラーズの選手たちには1対1で負けないところとかを認めてもらって、そこから自分の特長を出して行けたら良くなっていけるのかなと思います」。簡単に公式戦出場できるという甘い考えはない。だが、必ずそのピッチに立つという情熱と可能性を持ち合わせたCBだ。今年に入って逞しさが増し、現在も10月の復帰、将来へ向けて肉体強化を重ねている最中。来年以降、鹿島で成長を続け、信頼を勝ち取って戦力、そして欠かせない存在になる。

昌平高から鹿島アントラーズへ加入するCB津久井佳祐(左)と鹿島・牛島真諭スカウト

(取材・文 吉田太郎)
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