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浦和DFショルツが山下良美主審に歩み寄った理由「試合が終わって彼女に言ったことは…」

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DFアレクサンダー・ショルツ(写真左)

[10.8 J1第32節 浦和 2-1 鳥栖 埼玉]

 浦和レッズサガン鳥栖に2-1で勝利したJ1第32節、試合終了の笛が鳴り、両チームの選手たちが審判団と握手しに行った場面で目に止まったのが、浦和DFアレクサンダー・ショルツだった。短い時間ではあったがきっちり立ち止まり、主審に何やら言葉を掛けていた。

 この日、笛を吹いたのは、女性初のプロフェッショナルレフェリーであり、カタールW杯の審判入りも果たしている山下良美主審。9月18日の国立競技場でのFC東京対京都サンガ戦でJ1主審デビューを果たした時と同様に、堂々とした、そして的確なジャッジで試合をコントロールした印象だったが、実際にピッチに立っていた選手の目にはどう映ったのか。ショルツはこう語った。

「試合が終わってから彼女に言ったことは、『アドバンテージをうまく適用して、細かなファールで試合を止めず、ゲームのリズムをうまくコントロールした』ということです。試合によっては細かいファールでレフリーがプレーを毎回止めて、リズムがぶつ切りになることもあります。そうならなくてよかったと思います」

 前後半に1回ずつ、VARが争点となる際どい判定もあった。いずれもオフサイド案件。前半4分
には浦和FWキャスパー・ユンカーのゴールが取り消され、後半17分の案件では鳥栖FW宮代大聖のゴールが認められた。ショルツはVARにも言及した。

「VARにも助けられながら、的確なレフェリングだったと思います。我々の(ゴールが)取り消された場面と、相手の(ゴールが)決まった非常に難しい場面でVARの助けがあったと思います。ただ、彼女が女性だからこういうコメントをしてるわけではなく、レフェリーの中の1人として男性と同じように(選手として)ジャッジしていきたいと思います」

 選手としてはフラットな目線を持ち、試合に集中することが必要だと唱えた。

「自分は、男女の区別なく接していると思います。例えば、取られなかったファールの時は男性に詰めるようにあの彼女にも詰めました。後半の場面? そうです」と言いながら笑顔を浮かべた。

 試合内容に関しては2-1で勝利したものの、「最小失点に抑えることができたのは良かったんですけれど、もっといい守備ができたのかなと思います」とコメント。残り3試合に向けて気持ちを引き締め直した。

(取材・文 矢内由美子)
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