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大一番でPO進出決めた!! 大分MF下田北斗が今季3度目のFK弾「うまく駆け引きに勝てた」

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大分トリニータMF下田北斗

[10.9 J2第40節 横浜FC 2-3 大分 ニッパツ]

 1-1と追いつかれて劣勢からやや盛り返し気味だった前半45分、大分トリニータの2度目の勝ち越しゴールはMF下田北斗の直接FKから生まれた。第10節の岩手戦、第13節の千葉戦に続き、今季3度目のFK弾。経験豊富な横浜FCのベテランGK六反勇治との心理戦を見事に制した。

 ゴール正面やや左からのFK。下田の左足から放たれたボールは壁を越えたあたりから一気に落ち、美しい軌道でゴールマウスにふわりと吸い込まれた。「コースはあまり良くなかったけど、うまく駆け引きに勝てた」。そのキックの布石は12分前に打たれていた。

 前半33分、大分はゴールシーンよりやや左の位置でFKを獲得したが、MF梅崎司のキックは壁に直撃。相手の壁には左からDF亀川諒史(177cm)、FW小川航基(186cm)、FWマルセロ・ヒアン(188cm)、DFガブリエウ(181cm)、DF岩武克弥(173cm)、やや離れてMF和田拓也(170cm)と並んでおり、ニア寄りの高い壁に阻まれた格好だった。

 下田はこの場面でも「ちょっと蹴りたいと思っていて、相手の壁の感じも行けそうな感じはあった」というが、ポジション的に右利きがセオリーだったこともあり、「梅さんもいいキッカー」と出番を譲っていた。

 それでも2本目は自ら志願。「個人的には(自ら蹴るのが)バレるかなという感じはあった」そうだが、1本目のイメージを頭に入れた状態でボールの位置に立った。

 駆け引きの詳細を多くは語らなかったが、おそらくGKのポジションがその要素の一つであろう。1本目でゴール右寄りに立っていた六反は、2本目ではゴールのド真ん中のポジションへ。梅崎が左に蹴っていたことも受けてか、先に駆け引きを繰り出してきた形だった。

 もしここでキッカーが左を狙おうとするなら、GKとのポストとの距離は1本目よりも近くなる。その上、左のコースの壁には長身選手が配置されており、キックが高い壁を越えていくことも求められる。一方、右のコースは1本目よりも空けられていた。

 しかし、下田はあえて「壁をしっかり越して落とす」自信を持って左のコースを選択した。その結果、右に動きかけていた六反の裏をかくような形となってゴールイン。「運が良かった。コースはあまり良くなかったので」。謙遜気味に振り返った下田だったが、見事な駆け引き勝ち。「こういう試合で点が取れるのは自分としていいこと。注目されている試合でゴールを決められたのは良かった」と控えめに喜びを語った。

(取材・文 竹内達也)
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