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新天地でJ1残留目指すG大阪MF山本理仁、負傷の間に同世代台頭も「出れない時期に学んだことは意味ある」

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新天地でプレーするG大阪MF山本理仁

 残留を狙うガンバ大阪は、8日の第32節で首位の横浜F・マリノスを撃破。29日の次節まで時間が空く中、キーマンの一人になり得る存在がU-21日本代表MF山本理仁だ。今夏に東京ヴェルディから加入も、直前の骨折で新天地デビューはシーズン終盤まで延長。同世代の活躍をしり目に「出ているときには気づけないものに気づける」と、戦線復帰まで力を貯め続けてきた。

 今月1日の第31節・柏レイソル戦で後半39分に途中出場し、加入後初出場となった。続く8日の横浜FM戦でも後半30分から投入され、攻撃力の高い首位を相手に求められた守備的な役割を遂行。価値ある勝利に貢献してみせた。

 持ち味のゲームメイク力を発揮するには、守り切る試合展開と合わなかった。それでも試合後には「自分に求められている役割、仕事っていうのはよりわかりやすかった。このチームの勝利のために、それを徹底することだけしか考えていなかった。自分を含めて、チームでしっかりと守り切れたことは自信になった。今後残り2試合につながってくる」と新天地での初勝利に手応えを語った。

 守備面での成長は、約一年半の間で意識の変化を感じているところだという。「一年半前の(東京)オリンピックのところで守備に対する意識が変わった」。山本は2021年東京五輪代表のトレーニングパートナーに選出。今年3月のU-21日本代表での取材時にも「そこで得たものは大きかった。(五輪代表を)間近で見れたことは自分の財産になった」と口にしていた。

 東京五輪後、クラブでも守備について考える時間が増えた。「ヴェルディでも考えたし練習で実戦した。今またもっと考えて、やっての繰り返し。いい選手がいる環境の中で成長スピードを上げていけたらいいと思っている。ただ、守備能力の向上は、コツコツとヴェルディで積み上げてきたものがいま出せている」。J1でのプレーにも自信を垣間見せた。

 横浜FM戦では、東京Vや年代別代表でともに戦い続けてきたMF藤田譲瑠チマと対戦した。J1での戦いを終え、試合後には2人とも笑顔でコミュニケーションを取る場面も。旧友からの勝利を「気持ちいいですね(笑)」と冗談交じりで振り返った。

 一方で藤田を始め、J1で戦う同世代は着々と歩みを進める。藤田、GK鈴木彩艶(浦和)、FW細谷真大(柏)は夏のEAFF E-1選手権でA代表デビューを飾った。山本は怪我の影響もあり、9月に行われたパリ五輪世代によるU-21日本代表欧州遠征も招集されず。だが、選出されない今だからこそ、成長に向けて考えを巡らせているようだ。

「(A代表に)同世代が入ると、おっ!となるし、なんで自分が入れないんだろうと考えます。ヴェルディでも少し出れない時期がありました。だけどその中で学んだことは何でも意味はある。出ているときには気づけないものに気づけるし、E-1のときもそうでしたけど、入ってたら何も考えないと思う。たぶん、よっしゃ!という気持ちで。入らないからこそ、何が足りないんだろうと考える時間になる。自分もずっと上の世代とやってきて、出れない経験がなかった。その中のことだったので、ひとつ精神的にも成長できたところかなと思っています」

 29日の次節までは2週間以上の時間がある。まずはチームの練習でアピールし、実戦で残留への貢献を目指す。来季J1で活躍を続ければ、U-21日本代表への復帰、そしてA代表初選出への道のりも遠くはないはずだ。

(取材・文 石川祐介)
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