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盟友相まみえる…渡邊凌磨と鈴木徳真「切磋琢磨していけば、絶対にまた…」

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[10.12 J1第25節 FC東京4-0C大阪 味スタ]

 試合前の2人からは自然と笑みがこぼれていた。
 
 FC東京のFW渡邊凌磨セレッソ大阪のMF鈴木徳真。かつて試合前に目にしていた光景は、いつも同じだった。高校選手権の決勝。U-17ワールドカップだって経験した。最後は高校選抜の試合だっただろうか。

 前橋育英高を卒業してから7年あまりが経った。大学を中退して海外でプロになった渡邊。一方の鈴木は筑波大を経て、J2徳島でプロ生活をスタートさせた。そこから紆余曲折を経てJ1プレーヤーになった2人は、着ているユニフォームは違えど、試合前の選手入場の列で再会していた。

 3月の対戦でも同じピッチに立っていたが、その時はわずか10分ほどの対決だった。今回はともに先発。特に私情を挟むつもりはなかったが、無意識に力が入っていた。前半22分に激しくボールを奪い合ったかと思えば、同39分の場面ではゴール前のこぼれ球に渡邊が詰めたが、鈴木は懸命のスライディングブロックでシュートを打たせなかった。

 膝に違和感を覚えた鈴木が大事を取って前半のみで交代したために、マッチアップは45分間だけだったが、「久しぶりに見れて嬉しかった」(鈴木)。大切な思い出のページが新たに更新された。

 試合はというと、FC東京の完勝に終わった。立役者は渡邊だった。前半27分のファーストチャンスこそ、シュートがポストに嫌われたが、後半3分に左足で先制点を奪うと、同31分と32分に立て続けにゴールネットを揺らし、プロ初となるハットトリックを達成した。「狙っていたけど本当にできるとは思わなかった」。照れ笑いに充実感を漂わせる。

「乗らせたらああやって点を取るのは昔から知っていた。ここに来て絶好調だなと。切磋琢磨していけば、絶対にまた対戦できる機会は来ると思うし、また対戦できるかどうかは、各々の努力次第だと思うので、継続してやっていきたいです」(鈴木)

 ワールドカップの開催により、早くも佳境を迎える今季のJ1リーグ戦。この日の延期分の消化により、全チームが2試合を残すのみとなった。勝ち点2差に縮まった優勝争いもさることながら、C大阪やFC東京らで競うACL出場権争いも最後まで目が離せそうもない。

 またC大阪は22日に広島と戦うルヴァンカップで、タイトルを狙うことになる。負傷交代となった鈴木だが、大事を取っての交代だったことを強調すると、「いい準備が出来ればなと思います」と出場に意欲を示した。


(取材・文 児玉幸洋)
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