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浦和DF酒井宏樹「これだけ近い人を思って黙祷するのは…」“同期”工藤壮人への思いも背負ったW杯メンバー発表前最終戦

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DF酒井宏樹(写真中央上)

[10.29 J1第33節 横浜FM 4-1 浦和 日産ス]

 右腕に喪章をつけてのプレー。試合前には黙祷。10月21日に32歳の若さで亡くなった元日本代表FW工藤壮人さんと柏レイソルの育成組織時代から同期だった浦和レッズの日本代表DF酒井宏樹は、1-4での完敗に、「気合いは入れていたが、なかなか気合いと結果はリンクしないものです」とつらそうな表情で肩を落とした。

 黙祷を終えると目をぬぐっているようにも見えた。「黙祷は何度もやっていますが、これだけ近い人のことを思って黙祷することは初めてだった。良いプレーをして、良い結果を届けることが自分の使命だと思うし、そうやってお互いに刺激し合ってきた。そういう意味でも、今日は非常に残念。勝たないといけなかった」と再び唇を噛んだ。

 敗戦については反省の弁が次々と口を突いた。「もちろん納得がいかないスコア。あの横幅を3人で守るのは広過ぎたと思うが、トライしようとした結果だし、結果的に遂行できなかったのは自分。すごく責任を感じている」と悔しさをにじませつつ、「単純に僕らよりマリノスの方がチームとしてのできが良かった。それは認めざるを得ないし、受け入れないと何も変わらない。子供ではないので、劣っているところを認めなければいけない」と強い口調で言った。

 0-1とされた後の前半32分には自陣PA近くでドリブルで侵入してきた相手を倒し、イエローカードをもらった。これで累積4枚目。最終節のアビスパ福岡戦は累積警告で出場できなくなったが、「でもあそこで止めないDFはいない。ピンチですし、あのエリアでえぐられていったら危ない。PAの外で止めるというのは何度あったとしても、そこに関して後悔はない」ときっぱり言った。

 11月1日にはカタールW杯の日本代表メンバー26人が発表される。選出が確実視されているだけに、「選ばれるのがゴールではない。選ばれる想定でどんなプレーができるか、どんなことをチームにもたらせられるかを考えているし、選ばれなければ次に自分が求められる試合で全力でやるだけ」と高い意識を見せた。

(取材・文 矢内由美子)
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