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ついに辿り着いた“輝ける場所”…平川怜「ロアッソに来て間違いなかった」恩返しはJ1昇格

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ロアッソ熊本MF平川怜(写真中央)

[10.30 J1参入プレーオフ1回戦 熊本 2-2 大分 えがおS]

 J2復帰1年目ながらもクラブ史上最高の4位でレギュラーシーズンを終え、悲願のJ1初昇格に向かって着実に歩みを進めているロアッソ熊本で、元世代別日本代表のMF平川怜が絶大な存在感を放っている。

 FC東京ではJ1出場ゼロでシーズン序盤を過ごしたが、8月に熊本への完全移籍を決断すると、レギュラーシーズン終盤に11試合連続で出場。J1参入プレーオフ初戦の大分戦でもトップ下の位置で90分間フル出場し、スペースが少ない中で攻撃を牽引していた。

「絶対に上のステージに行くんだという本当に強い気持ちで試合に入った」。持ち前のクオリティーだけでなく、際立っていたのはチームを勝たせるための気迫。「今日の前半は収まりが良くて良い時間もあったけど、後半は何回か自分のところでロストしてしまうところがあった。あそこで奪われるか、前を向いてプレーできるかでチームも変わってくる。そこはもっと責任を持ってプレーしたい」。自らに突きつけた厳しい基準からは、チームを引っ張っていく責任感もにじんだ。

 2017年にU-17日本代表の中心選手としてU-17W杯に出場し、同年11月に高校卒業を待たずにFC東京とプロ契約をかわした平川。しかし、主に過ごしていたのはJ3リーグに参戦していたFC東京U-23だった。その後、19年後半には鹿児島、21年には松本への期限付き移籍で武者修行したが、肝心のFC東京での出場機会にはなかなかつながらず、今年夏に完全移籍で生まれ育ったクラブを離れる形となった。

 それでも並ならぬ決意を持って乗り込んだ新天地で自身の存在価値を示した。「ロアッソに来ていろんなふうに思われていると思うけど、自分はここからまだまだ行けると思っている」。就任3年目の大木武監督が進める3-3-3-1の戦術に適応し、フリーで攻撃に絡むことが求められるトップ下のレギュラーに定着。この2か月でも「ロアッソに来て間違いなかった」と言えるほどの手応えを感じているようだ。

 自分に合ったチームで本来のパフォーマンスを取り戻した平川の姿は、FC東京のプロ契約同期で、現在ソシエダで飛躍を遂げているMF久保建英とも重なる。「久保選手も自分に合ったチームでいま非常に輝いている。自分はいまはJ2というステージだけど、まだまだここから行けるというのを示したい。このチームで大木監督のもとなら成長できると信じている。ここからやっていきたい」。熊本の地から再びトップレベルへの歩みを始めていく構えだ。

 もっとも、いまは個人のことよりもチームのJ1昇格に全てを捧げようとしている。「J1昇格のためにこのチャンスを逃したくない。このビッグチャンスがあると分かっていたから熊本に来た」。輝く場所を与えてくれたクラブのため「プロに入って苦しい時間が多かった中、こうやって自分のやりたいことがチームのスタイルにフィットしていることは非常に嬉しい。チャンスをくれたチームに結果で恩返ししたい」と決意を語った。

(取材・文 竹内達也)
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