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川崎Fは大逆転3連覇ならず…数的不利でFC東京との“多摩川クラシコ”制すも、首位・横浜FMが優勝決める

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川崎Fは勝利したものの優勝ならず

[11.5 J1第34節 FC東京2-3川崎F 味スタ]

 J1リーグは5日に最終節となる第34節を行った。FC東京川崎フロンターレの対戦は、川崎Fが3-2で勝利。だが、首位の横浜F・マリノスもヴィッセル神戸に勝利したため、勝ち点2差を縮められなかった2位・川崎Fは、最終節での逆転3連覇を逃した。

 2位・川崎Fは一時8ポイント差まで広がっていた首位の横浜F・マリノスとの勝ち点差を「2」で保ちつつ、最終節に突入した。両者は得失点差が「11」も開いているため、川崎Fは勝利が必須条件も、横浜FMが引き分けて同勝ち点となっても首位奪還は絶望的となる。川崎Fの勝利かつ横浜FMが敗れた場合に、史上2クラブ目の3連覇が見えてくる。

 リーグ戦40回目となるダービーマッチ“多摩川クラシコ”を本拠地で迎えるFC東京は、目の前で優勝を見届けるわけにはいかない。今季から指揮官を務めたアルベル監督は4-3-3の布陣を敷く。GKはヤクブ・スウォビィク、4バックは左から日本代表DF長友佑都、DF森重真人、DF木本恭生、DF中村帆高が並ぶ。アンカーはMF東慶悟、インサイドハーフはMF塚川孝輝とMF松木玖生。前線3枚は左からFWアダイウトン、FWルイス・フェリッピ、FW渡邊凌磨が入った。

 川崎Fも4-3-3の布陣。GKチョン・ソンリョンに、4バックは左からDF登里享平、日本代表DF谷口彰悟、先発復帰したDFジェジエウ、日本代表DF山根視来を起用する。アンカーはMFジョアン・シミッチで、インサイドハーフはMF橘田健人とMF脇坂泰斗。前線3枚は左からFWマルシーニョ、FW小林悠、FW家長昭博を置いた。[両スタメン&布陣]

 川崎Fは序盤からボールを握ると、前半19分に先制点を挙げる。左サイドでマルシーニョがボールをキープし切り、中央へ移動。パスを受けた脇坂がPA手前から右足シュートを放ち、ゴール右隅に決め切った。

 大事な先制点を手にした川崎Fだが、前半26分に流れが変わる。アダイウトンのカウンターを許し、GKソンリョンがPA外まで飛び出してタックル。決定的な得点機会の阻止とみなされ、レッドカードが出された。川崎Fは登里に代えてGK丹野研太を投入。左SBには橘田が移動した。

 その後は数的優位となったFC東京のペースに変わる。前半43分には中村の右サイドからのクロスからアダイウトンがオーバーヘッドキック。しかし惜しくもゴール枠外へ。前半アディショナルタイムにもPA手前から松木がボレー。しかしこれもゴール枠を捉えられなかった。

 川崎Fは前半を1-0で折り返すと、ハーフタイムで脇坂を下げてDF車屋紳太郎を入れる。車屋が左SBに入り、橘田が中盤に戻った。しかし、数的不利の苦しさは変わらず失点を許す。FC東京は後半2分、右サイドのクロスから敵陣内で混戦。最後はアダイウトンが押し込み、1-1と同点に追いついた。

 後半14分、川崎Fは交代カードを2枚切る。小林とシミッチを下げ、FW知念慶とMF大島僚太を投入した。すると同17分、知念が前線からプレスのスイッチを入れる。橘田が連動して右サイドの深い位置で森重からボールを奪う。すかさずクロスを上げると、マルシーニョがダイレクトでゴールに流し込み、2-1と再び勝ち越した。

 FC東京は後半21分、長友と塚川に代えてFW紺野和也とFW三田啓貴を投入。川崎Fは直後に谷口が空中戦で交錯し、顔から流血する。しかし止血すると、そのままピッチに戻った。

 後半29分、FC東京が再び同点に追いつく。右サイドの紺野が大きなクロスを上げ、左サイドの渡邊が折り返し、最後はアダイウトンがヘディングシュート。2-2と試合を振り出しに戻した。だが直後、川崎Fは車屋が左サイドからクロスを上げると、渡邊のオウンゴールを誘発。すぐ取り返して3-2とリードを奪った。

 数的不利の中で激しい攻防を乗り越えた川崎Fが3-2で試合を制した。しかし、他会場の首位・横浜FMが神戸に3-1で勝利。この結果、勝ち点68の横浜FMが首位、勝ち点66の川崎Fの2位が確定する。川崎Fは3年連続の優勝ならず、横浜FMの3年ぶり優勝が決定した。

(取材・文 石川祐介)
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