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「誰が出ても変わらない」横浜FMを支え続けたGK高丘陽平、堂々の全34試合フルタイムV

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横浜F・マリノスGK高丘陽平

[11.5 J1第34節 神戸 1-3 横浜FM ノエスタ]

 毎試合のように先発メンバーを入れ替えながら戦い、Jリーグの頂点に立った横浜F・マリノスだが、最後尾には常に頼れる守護神が立っていた。GK高丘陽平は今季、自身のプロキャリアで初めての全34試合フルタイム出場を達成。試合結果を左右するビッグセーブでチームを救うなど、リーグ最少失点タイの守備陣を牽引し、3年ぶりのタイトルをもたらした。

 高丘は2020年10月、コロナ禍で集中開催となったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するため、外国籍枠の関係で登録外となったGK朴一圭に代わって期限付き移籍で加入。だが、GKオビ・パウエル・オビンナに正守護神の座を奪われると、昨季もシーズン序盤はオビに先行される時期が続いていた。

 それでも徐々にチームにフィットしながら出場機会を伸ばし、38試合制のシーズンのうち33試合に出場。今季はさらにパフォーマンスを高めると、守備陣が安定しなかった前半戦は毎試合のようにチームを救うビッグセーブを連発し、首位を走るチームの好調の立役者となった。また今季途中からはDFエドゥアルド、DF岩田智輝がCBに定着していき、守備陣全体の安定感もアップ。シーズンが進むにつれて決定的なピンチ自体が少なくなり、派手な見せ場はそう多くはなかったが、どっしりとしたシュートストップでチームを支えていた。

 フィールドプレーヤーが目まぐるしく入れ替わる中でも、一人で守り抜いてきたゴールマウス。高丘はどのような思いで今季のチームビルディングを見ていたのか。まず語られたのはケヴィン・マスカット監督による思い切った起用法の効果だった。

「シーズンが始まった当初は試合数が多いのもあったし、ローテーションでいろんな選手が組みながら、誰が出ても変わらないパフォーマンスをしながら勝つというマネジメントを監督がしてくれた。その積み上げが最後までエネルギーを切らさずにシーズンを走り切れた要因だと思う。そこは監督の手腕だろうし、僕らは監督の意図をしっかりくみながらやってきた」

 そうした中で「僕はほぼ全ての試合に出してもらったので、多少選手が変わっても連係がしっかり取れるよう、誰が出ても勝ち点3を取れるようにGKとして準備してきた」と高丘。「GKの自分が後ろにどんと構えていることで、前の選手が思い切ってプレーできると思うので、安心感を与えられるように意識していた」ともいい、ターンオーバーが続く中で自身が柱になるような取り組みを続けていたようだ。

 そうした継続の末に積み上げた34試合フルタイム出場と、リーグタイトルという結果。「初めて34試合フルタイム出場できたので、そういったところの喜びもあるけど、それができたのもみんなのサポートのおかげだと思うので、また次の目標に向かってやっていきたい」。そう謙虚に語った高丘は「1年間、身体をハードワークしてきたので休みも取りながら次に向けてやっていきたい」と先を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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