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「日本のジルーになるかもしれない逸材」。報徳学園の大型FW坂元一渚璃はいわきから飛躍し、代表へ

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報徳学園高のFW坂元一渚璃いわきFCに加入する

 いわきFCは12日、報徳学園高(兵庫)FW坂元一渚璃(3年)の来季加入内定を発表した。兵庫県西宮市の同校で行われた記者会見には高田秀一監督、いわきFCの大倉智社長、田村雄三SDも出席。同校初のJリーガーとなった坂元は「幼い頃の目標であったプロサッカー選手としてのキャリアをいわきFCでスタートできることを嬉しく思います。今まで支えてくださった方への感謝の気持ちを忘れず、日々全力で頑張っていきたい」と意気込んだ。

 世代別の経験どころか、全国大会への出場経験もないが、184cmのサイズと50mを6秒1で走るスピードは魅力十分。大倉社長が「日本のジルーになるかもしれない逸材を獲得できたのを嬉しく思う」と笑みを浮かべたように、大きな可能性を秘めたストライカーだ。

 71年の歴史を持つサッカー部初のJリーガーとなったが、野球部やラグビー部、陸上部は全国的な強豪として知られ、多くの著名アスリートを輩出している。高田監督が「学校が積み重ねた環境がある中、彼が3年間過ごせたのが大きい」と振り返る通り、スポーツで高みを目指す同級生たちに刺激を受けながら、高校3年間で心身共に成長できたのは大きく、坂元はこう口にする。

「報徳学園に来てプレーの面だけでなく、人間性の部分でも成長できた。挨拶や荷物を綺麗に並べるなど小さいことの積み重ねが、ボールが最後の所で入るか入らないかに繋がっている」

 高校に入ってからはチームやお父さんが撮影したプレー映像を見るようにもなった。「客観的に自分のプレーを見ることで、スペースの使い方や動き出しの磨きがかかった。ボールがない所での動き出しやゴールの起点になるのが、僕のプレーの特徴。(プロでは)そうした所を見て欲しいです」。素質の高さを見込まれ、入学してすぐからAチームでプレー。昨年末にはプリンスリーグ関西の昇格戦で近大和歌山高から決勝点を奪い、チーム初の大舞台へ引き上げた。

 当初は早くから坂元に目を付けていた福岡大への進学を考えていたが、田村雄三SDが報徳学園の山下寛雄コーチとA級ライセンスの同期であったため、坂元の情報を聞きつけ、7月末から8上旬にかけて、練習参加。新型コロナウイルスの影響で、J3の試合がなくなったため実施された明治学院大学との練習試合に出場する機会を得ると、45分間の出場で2点をマークした。試合後には急きょ、大倉社長、田村SD、村主博正監督の3名でミーティングが行なわれ、「これは物になる。これはすぐ行くべきだ」との結論になり、すぐさま獲得オファーを出したという。

 Jリーグでは高卒1年目の選手がなかなか試合に絡めない現状はあるが、「僕らは解決するコンセプトを持っているので、1年から1年半。20歳ぐらいで出てくると期待しています」と大倉社長は、坂元の育成に自信たっぷり。「半年ぐらいで身体がたぶん5倍ぐらいになる。彼の身体の成長と共に、人間的な成長、サッカーの成長も追い掛けて貰えると、彼の頑張りが凄く分かるんじゃないかと思います」とも続ける。

 坂元自身もいわきでの飛躍に胸を躍らせている。「いずれは日本代表にも、なりたい。湘南ベルマーレの町野(修斗)選手はJ3から這い上がっていって、ワールドカップのメンバーに選出された。そうした姿を見ると僕も可能性はあるのかなと思います」。規格外のポテンシャルを持つ彼ならば、町野と同じステージまで駆け上がっても不思議ではない。

(取材・文 森田将義)
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