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“勝者は冬に創られる”アンダーアーマー主催の寒冷地キャンプをバスケス・バイロンらJリーガーが体験

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 アンダーアーマーが主催するウィンタートレーニングキャンプ「UNDER ARMOUR ALL OUT WINTER CAMP」が11月30日、12月1日の2日間に渡り、長野県東御市のGMOアスリーツパーク湯の丸で開催された。アンダーアーマーがサポートするさまざまなジャンルのアスリートが参加し、サッカー界からも東京ヴェルディのMFバスケス・バイロンジュビロ磐田のMF上原力也いわきFCのMF宮本英治、MF谷村海那という4人のJリーガーが参加した。

「今回のキャンプを一言でいうなら“自律神経のトレーニング”ですね。自律神経の可動域を広げるといっても過言ではないです。人間の身体は脳からの指令によって動作を起こすので、自律神経が適切な状態で整っていると交感神経、副交感神経のどちらの状態にもすぐ行き来することが可能になります。どういうことかというと、大観衆のスタジアムでプレーをしているときの覚醒状態と就寝時のリラックス状態のスイッチングがスムーズになるので、睡眠の質の向上にも繋がります。この自律神経へのアプローチは世界共通の普遍的なものですが、そこに気付いていない指導者や選手がまだまだ多いんです」

 そう語るのは、最新の科学的知見と長年の経験に裏付けされた多角的サポートによってアスリートのパフォーマンスアップを手伝うDAH(Dome Athlete House)のパフォーマンステクニカルディレクターの高木紀史さん。


 “ヤングアスリートの認識と行動を変える”ということを目的とした本キャンプでは、高木さんが監修したプログラムのもと、座学とフィールドトレーニングを通して寒冷環境におけるトレーニングの重要性を選手たちは体感した。

 現在は寒冷環境でのトレーニングの裏付けは少なく、関節の可動域の低下や脳から筋肉に伝わる神経の伝達速度が遅く、反射的な動きができないなどケガのリスクも考えられ、ネガティブなイメージが蔓延しているが、高木さんは以下のように考えている。

「寒冷環境に晒されることにどのようなメリットがあるかというと、第一に自律神経のバランスが整うことです。あとはレジリエンス(回復力)とグリット(やり抜く力)の観点からも非常にプラスであると言えるので、メンタリティの向上にも効果的ですね。さらにリカバリー促進になることも裏付けされていて、パフォーマンスへの好影響も少なからずあることが実証されています。トレーナーとして選手と携わっていると、トレーナー以上に知識を持っている選手もたくさんいます。でもそれはいろんな情報が世に溢れているからで、選手たちは時に誤った情報も手に取ってしまう。なので、2日間を通して選手たちには、トレーニングに対するリテラシーを高めるよう伝えました」

 寒冷環境でのトレーニングは、あえて厳しい環境に自分を晒し、タフに鍛えることで想像以上の力を得ることができるだけでなく、より高いパフォーマンスを発揮することにも繋がると高木さんは言う。


 この1泊2日の「コールドキャンプ」で、今後の日本サッカーの将来を担っていく選手たちは何を感じたのか。トレーニング終了直後の4名にそれぞれの思いを聞いた。


——今回のキャンプに参加してみていかがでしたか。
上原力也(以下、上原)「普段はシーズンオフなので、気温が低いなか山道を走るといったトレーニングはチームであまりしないので、とても新鮮な気持ちで参加することができました」

バスケス・バイロン(以下、バスケス)「僕は高校が青森山田高校だったので、当時から雪の上とかをたくさん走っていましたね。懐かしい」

——いままで寒冷環境でのトレーニングにおいて、意識して取り組んでいたことはありますか。
バスケス「それこそ高校のときはマイナス5~6℃という環境でトレーニングをしていて、もちろんトレーニングに入る前は入念にウォーミングアップをしていました。ですが、今回教えていただいたコレクティブプロトコルのようにしっかりとプロセスを踏んで、徐々に身体を作っていくというところに関してはそこまで意識したことはなかったですね」

——今回のキャンプで用意されていたトレーニングは“自律神経”に意識を向けて取り組むものでした。実際にやってみていかがでしたか。
上原「正直、自律神経に意識を向けてトレーニングに臨んだことはあまりなかったかもしれないですね。漠然と考えたりしたことはありましたけど、こんなにも自律神経と身体が連動していて、さらにはそれがパフォーマンスに直接影響するというメカニズムを理解していなかったので、とても勉強になりました。ウォーミングアップに関しても、どのような流れで進めていくのがよいかもわかったので、今後のトレーニングに生かしていきたいなと感じました」


——今回のキャンプで学んだことを、それぞれチームに戻って共有したいと思いますか。
上原「今回学んだ自律神経が身体にもたらす影響や、身体のメカニズムについては、1日2日で完全に自分のものにはできないと思うので。チームにとってプラスになるものであれば落とし込みたいと思いますが、まずは自分自身がさらに理解を深めることが重要なのかな、と」

バスケス「僕は結構こういうことを秘密にしたいと思うタイプなので(笑)。でも、選手であれば知っておくべきことだと思いますし、いろいろな説が飛び交うこの世の中で、正しい情報を得ることができたのは嬉しく思います」

——少し遡りますが、高校生時代から欠かさず取り組んできたトレーニングはありますか。
上原「チーム全体としてのトレーニングは常に100%で取り組むよう意識しています。個人のトレーニングに関しては、そのときのチームや個人の状況、課題というのは常に変わってくるものなので、臨機応変にトレーニングをすることが多いです」

バスケス「僕はドリブルですね。チーム全体の練習が終わったあとにコーンやマーカーを並べてやっていました。いまはだいぶ減ってしまったと感じているので、もっとやらないとな、と。でも、プロサッカー選手としてプレーしていると、どんどん自分に足りない課題が見つかってくるので、欠かさずというよりは、その時々で必要なスキルをトレーニングで補うといったところですかね」


——では、「もっと取り組んでおけば良かった」というトレーニングはありますか。
上原「それは全部ですね」

バスケス「一つ挙げるとしたら、僕は左利きなんですけど、右足を全然使わなかった時期があって。中学校くらいかな。当時の監督に『右足も使わないとプロになれないぞ』と言われたのを覚えています。両足を柔軟に使うことはプロにおいて非常に大切な技術になってくるので、サッカーを始めた頃から意識してトレーニングに励んでいれば、もしかしたらいまとは違うプレーができていたのかなとは思いますね」

上原「僕は高校生のときにかなり走りましたね。その期間の走り込みがいまの自分のベースにあって、それがあったからこそ、ハードワークができたり、顔が出せる運動量に繋がっているのかなと思います。当時は辛いと思っていましたが、いまとなっては間違いなくプラスになっているのを感じますね」

バスケス「1試合でどれくらい走るんですか」

上原「試合によるけど、一番走った試合は13kmくらい。やはり高校生のときのトレーニングがいまになって活きていることを実感しますね。たくさん走ることが必ずしも良いというわけではないと思うんですけど、走れるに越したことはないですよね」

——今回のキャンプでのトレーニングを踏まえて、今後の抱負を聞かせてください。
上原「Jリーグ自体がフィジカル的な要素や走力の部分でレベルが上がってきていることを感じていますし、今回のフィジカルトレーニングや走りのメニューは今後シーズンを戦っていくうえで間違いなく自分の力になってくると思うので、さらにパワーアップして来シーズンを戦っていきたいなと思います」

バスケス「まだまだパワーアップできると自分自身感じていますし、伸び代しかないと思っているので、シーズンが始まるまでの期間にしっかり自分と向き合って、成長できるように良い準備をしていきたいです。そしてチームを引っ張っていける存在になれるように努力していきたいと思います」


——今回のキャンプに参加してみていかがでしたか。
宮本英治(以下、宮本)「あっという間の2日間でした。冬の時期に寒冷環境でトレーニングをするということも普段はあまりないので、新鮮な気持ちでトレーニングに取り組むことができました。楽しい時間でしたね」

谷村海那(以下、谷村)「他のチームの方や異なる競技のアスリートの方と交流する機会がいままであまりなかったので、純粋に楽しかったですね。いろいろコミュニケーションが取れたので、良い刺激もたくさんもらいました」

――いままで寒冷環境でのトレーニングにおいて、意識して取り組んでいたことはありますか。
宮本「寒冷曝露という寒さの中で感覚を研ぎ澄まし、覚醒させるトレーニングはいままで経験がなく、とても印象的でした。寒い時期は暖かいところでキャンプをしたり、なるべく寒さから逃げてコンディションの部分を考えていたので、自ら寒冷環境でトレーニングをして、効果を実感する試みが新しいなと。いままで考えてもみないことだったので、このようなキャンプに参加できたというのは個人的にも良い経験になりました」

谷村「自分も寒冷曝露という言葉すら知らなくて、厳しい環境に身を置くことでコンディションの調整やメンタリティの強化に繋がるということを知ることができたので、とても有意義な時間でした。この経験を早速チームに戻って共有したいですね」

――今回、同じチームからお二人が参加されましたが、いわきFCにとってプラスになる部分があると感じましたか。
宮本「座学の時間で新しい知識をインプットできたと感じていて、なかでも交代浴の部分は新たな発見もありました。いままではリカバリーの側面で活用していたのですが、寒冷環境においての免疫のキャパシティを大きくする役割があったり、温暖な気候の中でも活用できることがわかったので、自律神経のトレーニングの大切さを知りました。パフォーマンスに大きく関わってくる部分だと考えているので、正しい情報をチームに共有したいですね」


――J3優勝、J2昇格。この快挙はどのように成し遂げられたと考えていますか。
宮本「これだけ早くJ2の舞台に参入できたのは、支援してくださるたくさんの方々のおかげだと思っています。僕自身がすごく感じたのは、サポーターがすごく増えているんですよ。そういうパワーも手に取るように感じられて、声出し応援も今年から徐々に解禁されてきて、いわきFCがプロチームとしてこれから戦っていく準備が整ってきたことを実感しています。これは自分たちというよりも、周りのサポートの力がこの昇格の大きなパワーになったと考えています」

谷村「そうですね。僕もスポンサーさんやサポーターの皆さんの力はとても大きかったなと強く感じています。その力があるからこそ、日々のトレーニングや厳しい試合でも歯を食いしばって頑張ることができたので。それが僕たちの原動力に変わり、J3優勝、J2昇格という結果に身を結んだのではないかなと思いますね」

――最後に、今回のキャンプでのトレーニングを踏まえて、今後の抱負を聞かせてください。
宮本「ここまで順調に来すぎているなと感じている部分もあって。でも、やっとJ2という舞台でプレーできるチケットを手にして、バスケスさんや上原さんとも先ほど話したんですが、カテゴリーが一つ上がるだけでガラッと変わると言っていました。そこで戦えることはすごく嬉しく思いますし、自分たちの倒れないサッカーというのがそれだけ通用するかというのは楽しみな部分もあります。失うものはないので、チャレンジャー精神で向かっていきたいなと思います」

谷村「J3からJ2に上がるとなると、レベルが一段と上がってくると思うので、これでいわきFCがなかなか勝てないと『やっぱりか』となってしまいますよね。大切な時間を割いてサポートしてくれる皆さんを悲しませることになりますし、今年以上に日々のトレーニングから意識高く取り組んで、すべてにおいて上回れるように頑張りたいと思います」



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