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幼少期から憧れだった横浜FM…“逆オファー”も実った井上健太「マリノスのスタイルには自分のスピードが合う」

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MF井上健太

 憧れのトリコロールに身を包んだ感慨はひとしおだった。「出身地が横浜なのですごく憧れていたクラブなので、すごく嬉しい気持ち。いつかプレーしたいという強い気持ちで過ごしていた」。14日、横浜F・マリノスの新体制発表会に出席したMF井上健太(←大分)は新ユニフォーム姿で壇上に立ち、素直な喜びを口にした。

 横浜市に生まれてサッカーを始め、小学時代は大崎SC、中学時代は横浜ジュニオールSCでプレーしてきた井上。高校は島根県の立正大淞南高に単身進学し、そこからは福岡大、大分トリニータと西日本でサッカーキャリアを築いてきたが、24歳の今も故郷への想いが薄れることはなかった。

「サッカーを始めた頃から日産スタジアムで見に行っていて、このユニフォームを着て、サポーター熱い声援を受けて、躍動する選手を見てきた。その時にサッカー選手になりたいと思った」

 小さい頃から憧れていた横浜FM。幼少期からはチームスタイルが大きく変わり、超攻撃的な志向で再びトップクラブの一角に返り咲いた国内屈指のビッグクラブにおいて、井上は自らがプレーする姿を明確に思い描いてきたという。

 プロ入り後の2年間、横浜FMの試合を「毎試合見て勉強していた」という井上。さらにただ見るだけでなく、自身のプレーと重ねながら「今のマリノスのサッカースタイルには自分のスピードが合う」という確信も深めていった。

 また横浜FMの西澤淳二トップチームダイレクターによると、この2年間は代理人を通じて「必ずマリノスでプレーしたい」という“逆オファー”もクラブに伝達。ピッチ内外の両面で自身の存在をアピールし続けてきたようだ。

 その結果、このオフに念願のオファーを受け取った。「憧れのクラブでプレーできることが大変嬉しく思うし、マリノスファミリーに加われて嬉しい。チームに貢献して目標を達成できるように頑張っていきたい」。まだ開幕前とあって「まだ何かを達成できたというわけではない」と冷静な言葉も口にしたが、憧れのクラブの一員となった感慨は隠さなかった。

 横浜FMの攻撃クオリティーを支えるウイングのポジションでは今オフ、2019年のJリーグ最優秀選手のFW仲川輝人(FC東京)がチームを離れ、FW宮市亮も長期離脱からのリハビリ中。井上自身も大学時代から続いた脱臼癖に別れを告げるべく、オフに手術を受けたため、別メニュー組でのスタートとなっている。

 それでもシーズン序盤から古傷の不安を抱えずプレーできるのであれば、昨季以上のパフォーマンスを発揮することが期待できる。「自分はスピードが武器なので、一人で打開する力を出してやっていきたい」。連覇がかかる新シーズン、この男がJ1でも違いを見せることができれば、その目標は大きく近づくことになりそうだ。

(取材・文 竹内達也)
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