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J1開幕節のノーゴール誤審…GLT導入には高い壁「機材だけで10億円」「できないスタジアムがある」

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 Jリーグの野々村芳和チェアマンが22日の第2回理事会終了後、JFAハウスで記者会見を行い、J1開幕節のサンフレッチェ広島北海道コンサドーレ札幌戦で判明した誤審について言及した。ゴールラインテクノロジーの導入で解決できる可能性もあるが、導入は「現実問題難しい」という見解を示した。

 日本サッカー協会(JFA)の扇谷健司審判委員長が同日、臨時のメディアブリーフィングを実施。今月19日に行われたJ1開幕節の広島対札幌で議論を呼んだ広島のノーゴール判定について、「審判委員会としては、本来であれば得点を認めるべき、ゴールインとすべき事象だったと結論づけた」と誤審を認めた。

 扇谷委員長はブリーフィングで、ゴールラインテクノロジーの導入について「今までもGLTは議論をしているが、日本のスタジアム環境でできない可能性が高い。ある会場だけやるのはアンフェアというのがあり、すぐというのは現状難しい」と説明していた。

 野々村チェアマンもこの日、「Jリーグとしてできることは何かということを考えないといけないが、リーグとしては今のサッカー界の進歩の中でテクノロジーをどこまで提供してサポートできるかだと考えている。今回のようなものを解決するために、ゴールラインテクノロジーを導入するのは一つの方法だと思う」と述べつつも、次のように難しい見通しを示した。

「導入には機材等々だけでも10億円くらいかかる。また日本のJ1のスタジアムでGLTを導入することができるスタジアムが全てではない。できないスタジアムがある。スタジアムの高さであったり、カメラを置ける場所のないスタジアムがある。お金を用意することも大変だが、日本のサッカー環境もそんな感じになっている。またJ2にVARを入れようとしても10億円はかかる」

 今季からはJ3リーグの審判員に無線のコミュニケーションシステムを導入しており、「少しでも審判をサポートできるものを提供する点では地道なところはやっていて、これもJリーグが持っている。1500万円から2000万円かかったりする」と説明。新たなテクノロジーの導入については「やると決めたらお金をかければできなくはないが、そこまでできるかというと現実問題難しい」と結論づけた。

(取材・文 竹内達也)
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