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“難役”アンカーで際立つ連続フル出場も…J1初挑戦で課題に向き合う鹿島MF佐野海舟「まだまだレベルが足りない」

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MF佐野海舟

[2.25 J1第2節 鹿島 1-2 川崎F カシマ]

 1点リードで終盤まで試合を進めていた鹿島アントラーズだったが、10人の川崎フロンターレに劇的な逆転を許し、今季初黒星を喫した。開幕2試合で高いパフォーマンスを発揮しているMF佐野海舟は「全然手応えはない。もっとやらないといけないことばかり。チームとしても勝てていないので、この敗戦を自分にとってもチームにとっても絶対にプラスにしないといけない」と唇を噛んだ。

 悔いが残ったのは後半44分の失点場面だった。セットプレーの流れからペナルティエリア内に押し込まれた結果、FW家長昭博のバイシクルキックに反応できず、マークについていたFW山田新がゴール。「いい時間に点が取れて、いい感じで試合を進めていたと思ったけど、ダメな時間に失点してしまった。失点も僕が防げたと思う」と振り返るしかなかった。

 J2のFC町田ゼルビアから今季加入し、開幕2試合はアンカーのポジションでフル出場。ともに4-3-3の中盤を形成するMFディエゴ・ピトゥカ、MF樋口雄太が前に出ることも多く、アンカーには負担が集中する場面も少なくない中、「ピトゥカや雄太くんがどんどん前に行っている時にいい時が多い中で、僕がカバーし切れなかったらなかなか前に行けない。自分を信頼してもらえるように前に行ってもらいたい。全部カバーするくらいの気持ちでやりつつ、自分もどんどん前に行けるようにやっていきたい」という意識でチームを支えている。

 この日も難敵の川崎フロンターレに対し、ボールを握られる時間が続いた中、スペースを埋める仕事を継続。「すごくうまいチームだし、個の強いチームということで、まずは個の部分で負けないこと。そしてチーム力でボールを奪ったり、攻めに行ったりすることを意識した」。さらに「ボールを持たれる時間が長かったので、奪った後は必ず奪われないことだったり、時間を作ることは試合前から意識していた」という仕事にもトライし、上々のパフォーマンスを発揮しているように思われた。

 だが、佐野自身は「手応えはない」と厳しい自己評価を下した。守勢に回った時間帯では「自分のところでもっと時間を作れたらよかった」と反省点を述べ、「ボールを奪えるシーンもあったけど、本当に大事なところ、大事なポイントで防げないといけない。試合の流れももっと読んで、自分がどう振舞っていくのかも必要」と守備面の課題も指摘。何より敗戦という結果と向き合い、「Jリーグでトップを走っているチームだと思っているけど、そういう相手の中でもやれないといけないし、チームとしても勝たないといけなかった」と悔やんだ。

 まだ22歳。このままのパフォーマンスが続けば日本代表など次のステップも見えてきそうな期待もあるが、まずは自身のレベルアップとチームの結果にこだわっていくつもりだ。「まだまだレベルが足りないし、自分としてもチームとしてももっとやらなきゃいけないことがたくさんある。全部というのは難しいけど、一つひとつしっかりクリアしていって、シーズン終盤に向けてタイトルを取れるチームになっていきたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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