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CBにスクランブル続く川崎Fで新加入DF大南拓磨が初先発「勝ててホッとしたのが一番」

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川崎フロンターレDF大南拓磨

[2.25 J1第2節 鹿島 1-2 川崎F カシマ]

 DF谷口彰悟の海外移籍、DF車屋紳太郎の負傷、DFジェジエウの出場停止とスクランブル状態に陥っていた川崎フロンターレのCBで、今季柏レイソルから加入したDF大南拓磨が加入後初先発を果たした。開始早々の失点には悔いを残したものの、終盤の逆転劇に「そこは自分自身これからもっと突き詰めてやらなきゃいけないと感じたけど、今日は勝ててホッとしたのが一番」と安堵の表情を浮かべた。

 川崎Fは鹿島アントラーズ戦の前半5分、早々に先制を許した。左サイドを侵入されながら一度は押し返したが、DF植田直通のミドルパスを危険な位置に通されると、FW鈴木優磨の振り向きざまのクロスがゴール前へ。大南とマッチアップする形となったFW知念慶にヘディングシュートを沈められた。

「最初の失点が自分にとって評価を下げるところになった。そこは絶対にやらせちゃいけない。ゼロでやっていけばこのチームは点を取ってくれるという意識で入っていた中で、ああいう失点をしてしまった。そこが反省点」

 あれだけ自由にクロスボールを入れさせてしまえば、CBの仕事は難しくなる。しかし、大南は自身の対応に向き合っていた。「もっとボールホルダーに行かせるべきというのもあったけど、後ろがちょっと気になったところもあった。(左SBを務めた橘田)健人もカバーに入っていたので、もう少し先に状況確認しておいて、前にスライドするか、ヤマさん(CB山村和也)を声で止めて後ろを見てもらう形もありだったと思う」。あくまでも自らの仕事に集中し、周囲との連携を改善していく構えだ。

 また連係に苦しんだビルドアップでも試行錯誤の跡が見えた。前半途中からMF橘田健人との関係性を変えて左サイドにポジションを取ったかと思えば、後半からは再び中央での組み立てにトライ。「前半は健人が中に入ってきて、そこに藤井(智也)くんがつられて僕が空くと感じていた。健人からも『もっと前に行って攻撃参加していいですよ』と言われていたので意識してやっていた。後半はもっとしっかり後ろから動かそうというところで入ったのでそうした」。それでも「あまりプレッシャーも来なかったので、自分が持ち上がって、もっと縦にクサビをつけられたら良かった」と課題も残し、「やりながら修正していきたい」と力を込めた。

 パスの受け手としても高い技術を誇るMF大島僚太、MF脇坂泰斗らが中盤を構成する川崎Fにおいて、他クラブから加入してきた選手が攻撃の組み立てでいきなり適応するのは簡単なことではない。とくにリスクを避けなければならないCBならなおさらだ。大南も「もっとテンポを速くしたりしていかないといけない」と課題は認識しており、キャンプなどを通じて「徐々に良くなっていると感じている」と徐々に手応えを重ねている最中のようだ。

 だからこそ、大南は「自分自身に課題もたくさんあった。攻撃面もそうだし、守備でもやられちゃいけないところでやられてしまった。そこは自分自身これからもっと突き詰めてやらなきゃいけないと感じた」としながらも「今日は勝てたということがすごく良かった」と前向きに語る。

 この日はDF山村和也が一発退場したため次節は出場停止。ジェジエウの出場停止が明けてもCBが手薄な状況は変わらず、適応に時間をかけるわけにはいかない。そのため、まずは改善あるのみ。大南は「やれている部分、やれなかった部分をまた確認して突き詰めながらやっていくことが大事。まずはCBなのでやられないところを意識しながらビルドアップも含めてやっていきたい」と冷静に先を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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