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昨季9G8Aで迎える2年目…広島MF満田誠は右WB起用に葛藤も「プラスに働く部分もある」

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サンフレッチェ広島MF満田誠

[3.3 J1第3節 横浜FM 1-1 広島 ニッパツ]

 昨季ルーキーながら9ゴール8アシストを記録したサンフレッチェ広島MF満田誠がこの日、右ウイングバック起用でも結果を出した。前半5分、中盤での競り合いを制した味方のパスを受けると、鋭いクロスで左ウイングバックMF東俊希のゴールをアシスト。今季初のスコアポイントに「一歩踏み出せたのかなと思う」と手応えを語った。

 開幕2節はシャドーのポジションで先発。しかし、0-2のビハインドとなった前節・新潟戦(●1-2)の後半から右ウイングバックに移り、一方的な劣勢だったチームを攻勢に導いた。そうした流れもあり、ミヒャエル・スキッベ監督は昨季王者の横浜FMに挑んだこの一戦でも新潟戦の後半メンバーを主体に編成し、試合に勢いをもたらした。

 不慣れなウイングバック起用ではFWエウベルとのマッチアップも強いられ、前半19分には同点被弾に絡む形となった。それでも前線にFWナッシム・ベン・カリファ、FWピエロス・ソティリウを擁し、中盤にもMF森島司、MF川村拓夢、MF野津田岳人を抱える広島において、比較的無理の効く満田がポジションを移らざるを得ない状況にあるようだ。

 昨季は得点に絡む活躍で自らのキャリアを切り拓き、昨年12月にはEAFF E-1選手権に臨む日本代表にも選ばれた満田。ゴールから離れるポジションでの起用に葛藤がないわけではない。「一番はシャドーやFWのゴールに近いポジションをやりたいけど、サッカーはチームプレーなので自分のことだけでは成り立たない」と複雑な心境も明かす。

 それでもまずは、この機会をさらなる成長の足がかりにしていこうとしている。「いろんなポジションができるに越したことはない。試合で与えられたタスクを遂行して、一つ一つのポジションの質を上げていければ」。そう考えるに至った一つの要因には、昨年末のカタールW杯もあったという。

「日本代表に限らず各国の代表選手はその試合ごとに戦術を忠実にできるサッカーIQ、技術を持っていた」。その能力を身につけるためには日常のリーグ戦でさまざまな局面に身を置くことが大事。満田は「フォーメーションや出るポジションが違うのはプラスに働く部分もある。違うチームに行ったり、代表チームでやるとき、広島とは違うポジションでやることもある。そういった中でいい経験ができていると思う」と前向きに語った。

 代表選手としてのキャリアについては「入れるチャンスがあるなら入りたい。多くの選手がそこを目指してサッカーをやっている」としながらも「そこを目指しながらチームの1勝のためにできることをやっていければ」というチーム第一の姿勢は崩さない。そこで勝利のために異なるポジションでの起用が続くとなれば、その役割に徹していく構えだ。

 昨季のブレイクを経て、真価が問われる2年目のシーズン。「相手からの警戒や注目は昨年よりあると思うので、その中で自分がどう結果を残せるかが大事。アシストという形で結果を残せたのは自分にとって一歩踏み出せたのかなと思うけど、今日は失点に絡んでしまったのがマイナスだった。マイナスを減らしてプラスを積み重ねていければ」とさらなる奮起を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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