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浦和の今季初得点はPK職人ショルツ! プロ13年間で失敗なしの秘訣を聞いた「W杯でのプレッシャーは相当大きいだろうが…」

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浦和レッズDFアレクサンダー・ショルツ

[3.4 J1第3節 浦和 2-1 C大阪 浦和駒場]

 1点を追う後半16分だった。浦和レッズが誇るPK職人DFアレクサンダー・ショルツがチームメートの全幅の信頼を背にPKスポットにボールをセットした。浦和はDF酒井宏樹の鋭いスルーパスから裏に抜けたFW興梠慎三がPA内で倒されてPKをゲット。興梠からボールを渡されたショルツがキッカーとなっていた。

「0-1で負けていて、これはミスできないという状況でした。最初の2試合は点も取れていなかったですし」

しかし、ショルツのメンタルは強かった。「つねにナーバスだし、もちろん外すのは怖い。ただ、自信はあります」。その言葉通り冷静にゴール右へ蹴り込み、1-1の同点とした。ここまでノーゴールだった浦和にとっては開幕から241分目にして生まれた待望の今季初ゴールだった。

 それにしても、10年にデンマークリーグでプロ生活をスタートしてから13年間でPKを失敗したことは一度もないというのだから驚異的だ。普段はGKが届かないゴール高めの位置にスピードのあるキックを蹴り込むのがショルツのスタイルだが、この日はGKの逆を突いたキック。「GKのキム・ジンヒョンがいい試合運びをしていて、かなり自信も持っていたので、普通に蹴ったら止められるかなとも思い、少し彼の動きを見て、ちょっと考えを変えました」。技ありのキックを沈め、「運良く入ってくれました」と笑顔を浮かべた。

 昨年のカタールW杯。日本はPK戦にもつれ込んだラウンド16のクロアチア戦でキッカー4人中3人が失敗し、ベスト8の夢を絶たれた。

 どんな練習をしてPKが上手くなったのか?ショルツに聞くと「特に練習などはありません。緊張感をコントロールして集中力を高めるのみです。もちろんW杯でのプレッシャーは相当大きいでしょうけれど、毎試合このようなプレッシャーをコントロールしながら対応しなければいけません」との答えが返ってきた。

 そして「私は基本的には冷静なタイプ。なので、PKだから何かを変えるということはありません。深呼吸をして体をコントロールして、しっかりとどこに蹴るか判断するのみです」と続けた。
 2021年夏に浦和に加入し、この日は区切りの50試合目でもあった。「もう50、いきましょう」。勝利の喜びに浸りながら、最後は頼もしい言葉を口にしてスタジアムを後にした。

(取材・文 矢内由美子)
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