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「成長しないといけないところが山ほどある」今季2点目の湘南MF平岡大陽、“長所”と“苦手”を伸ばした先のパリ五輪代表へ

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MF平岡大陽が今季2点目をマーク

[3.4 J1第3節 川崎F 1-1 湘南 等々力]

 開幕3試合目で早くも今季2点目をマークした。湘南ベルマーレMF平岡大陽は後半19分、スコアレスの均衡を打ち破る右足一閃のゴール。「あそこまで来たら打つことしか考えていなかった」と振り返った。

 湘南は前半44分にFW大橋祐紀が負傷した。プレー続行不可能となり、平岡がピッチへ。すると投入直後から前線に顔を出し、決定機を数度作る。前半終了間際にはFW町野修斗のクロスをヘディングで合わせ、大きなチャンス。「クロスに対して入るという、監督から言われていることを意識した結果」。惜しくもGKチョン・ソンリョンのセーブに遭ったが、途中出場ながらスムーズに試合に入った。

 前半をスコアレスで折り返すと、湘南は後半19分に待望の先制ゴール。MF永木亮太がPA右に入り込んでボールをキープする。ファーサイドに浮き球パスが入ると、待ち構えた平岡が冷静にトラップ。「しっかりボールを止めて打つ。シンプルなことですけど、そこにフォーカスして振り抜いたことがよかった」。右足を一閃すると、弾道はシュートコースを防ぐ相手5人の隙間を縫い、ゴール右隅に突き刺さった。

 履正社高から加入したプロ3年目の平岡は、開幕3試合でさっそく2得点目をマーク。本人も「3試合で2得点っていいですよね……?」と確認しつつ、それでも浮き足立つことはない。

「数字としてはこれからもどんどん伸ばしていきたいなと思います。だけど、そこだけにこだわるといけない。それ以外のところで、もっと成長しないといけないところが山ほどある。成長につなげたいです」

 20歳の平岡は2024年パリ五輪を目指す世代だ。大岩剛監督体制が発足した昨年3月に一度キャンプに招集されたが、それ以降は招集なし。本人も「キャンプに一回呼ばれただけですし、手の届かないところとは言わないですけど、そこは見据えていないというか」と現状の立ち位置を把握。「まずはチームで試合に出て、勝つというところしか考えていないです」とクラブでの戦いに集中しているようだ。

 代表招集の鍵は、自身のストロングである前線でのアグレッシブさ、果敢なプレス、球際での強さを絶対的なものにすること。そして、課題の克服と自己分析する。

「ここ3試合で取れている点数、攻撃のラストパス、ビルドアップの関わりといった、自分がプロに入ってから苦手だなという意識を持っていたところを伸ばしていくことで、バランスを良くする。でも、ストロングのある選手にならないといけない。そういうところで(代表に)引っかかるかなと。そういうところで頑張りたいです」

 パリ五輪世代のU-22日本代表は今月に欧州遠征を控えるが、平岡は「代表があるから頑張らな、とかは考えていない。もし呼んでもらえたら、頑張るだけです」。今シーズンは好調の滑り出し。いまはただ無欲に、自身の成長に目を向けている。

(取材・文 石川祐介)
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