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敗責背負った柏エースFW細谷真大「名古屋は決めるべき選手が決めて、うちは…」

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柏レイソルFW細谷真大

[3.12 J1第4節 柏 0-3 名古屋 三協F柏]

「後半の決定機一つ決めていれば絶対的に違う結果になっていたと思うので、自分の責任だと思う」。0-3で敗れた名古屋戦後、柏レイソルの若きエースFW細谷真大は敗戦の責任を自ら背負った。

 0-1で迎えた後半5分、この試合で初めての決定機がようやく訪れた。後半から投入されたばかりのMF仙頭啓矢の浮き球パスがペナルティエリア内に入ると、絶妙なタイミングで抜け出した細谷が冷静にトラップ。GKランゲラックとの1対1の状況に持ち込んだ。

 そこで細谷が選択したのはランゲラックの上を越すループ気味のシュート。「トラップした瞬間に咄嗟に出たのがあれだった」。しかし、ランゲラックは身体を倒すことなく難なくセーブ。柏は同点に追いつくチャンスを逃し、直後の後半7分に名古屋の追加点が決まった。

 また0-2で迎えた後半20分にも、MFマテウス・サヴィオからの縦パスを収め、ペナルティエリア右に持ち出したが、DF中谷進之介に立ちはだかられながら強引に放ったシュートはゴール左へ。「ああいう形は自分の得意なところ。逆サイドネットを狙ったつもりだったので枠に入れておけば良かった」と悔やむしかなかった。

 すると後半25分、試合を決定づける名古屋の3点目がオウンゴールで入って勝負あり。いずれの追加点も細谷の決定機逸直後に決まっており、ゴール前のクオリティが違いを分ける形となった。「名古屋は決めるべき選手が決めて、うちは決められなかったのが結果に出た」。シュート数では16対12と上回った中での敗戦。細谷はエースとしての責任を自ら背負った。

 昨季は8ゴールを挙げる活躍でJリーグのベストヤングプレーヤー賞に選ばれ、今季も開幕から2試合連続ゴール。チームは昨年8月以降、14試合勝ちなしが続いている中でも、決して細谷のパフォーマンス自体は低くない。今季に入ってからはボールを収める局面、相手に寄せられた局面でも強さが目立ち、一段階レベルアップしたような印象さえ受ける。

 本人の中にもそうした手応えはある。「点を取れるという自信はもちろんあるし、当たり負けしないところでの自信は去年以上にある」。来年夏のパリ五輪で日本を引っ張る活躍が期待される中、「もう4年目なのでJリーグの流れは掴んできている」と身体作りのリズムも固まり、個人面でのレベルアップは順調なように見える。

 それでも、ここまで開幕4試合で90分間フル起用されているエースにとっては、チームの結果が何より大事だ。この日、細谷の心に響いていたのはリードを広げられながらもスタジアムに響き続けていた柏サポーターの大声援。「点差が離れても声援は変わらず送ってくれた。結果で恩返ししたい」。今度こそチームを勝たせるために点を取る。

(取材・文 竹内達也)
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