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横浜FM角田涼太朗「自分がクロスを上げさせたのが全て」反省も糧に初のA代表合宿へ

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FW鈴木優磨をマークするDF角田涼太朗

[3.18 J1第5節 横浜FM 2-1 鹿島 日産ス]

 日本代表の選手として迎えた最初の公式戦、横浜F・マリノスDF角田涼太朗は粘り強い守備と安定したビルドアップで勝利に貢献した。「勝ちが必要な試合だったし、前回の試合を踏まえても自分たちの強さを見せるために重要な試合だった。その試合で勝ち点を取れたことがチームとしてプラスなこと」。前節札幌戦(●0-2)の敗戦からしっかり立て直し、良い流れに乗って2日後に始まる代表合宿に乗り込んでいく構えだ。

 角田は今月15日、キリンチャレンジカップ2試合に臨む日本代表メンバーに選ばれた。ベスト16に終わったカタールW杯を経て、第二次森保ジャパン発足という節目の活動。Jリーグからは3人が初招集を果たしたが、DFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)とDF半田陸(G大阪)はいずれもパリ五輪世代からの飛び級という意味合いもあるため、1999年生まれの左利きセンターバックの角田にかかる期待は大きい。

 そうした注目が集まる中で迎えた鹿島戦。試合を通じてはFW鈴木優磨とのマッチアップが一つの見どころとなった。背負われた状態でのアプローチ、巧みに競ってくる空中戦では苦しい対応を迫られる場面もあったが、自由にプレーさせた場面はなし。「対戦は初めてではないので、相手の特徴もある程度は分かっていたし、そこを自由にさせないことはこの試合で一つの大事な要素だった」という言葉どおりのパフォーマンスを発揮していた。

 一方、2-0で迎えた後半23分には悔やまれる対応もあった。

 広大な左サイドのスペースをMF松村優太に走り込まれると、うまく外に追いやったようにも思われたが、一瞬のスピードで抜き去られ、クロスから失点。「自分がクロスを上げさせてしまったのが全て」。そう悔やんだ角田は「中にある程度晒された状態でスペースもあったので、まずは中に行かせないところは意識していた。縦に誘うまでは自分の中で想定内だったけど、その後のもう一歩ボールに寄せ切るところが甘かった」と課題と向き合った。

 今季はシーズン開幕から左センターバックの主力に定着し、持ち前のビルドアップやフィードに加えて、「今年はもっと守れる選手になりたい」をテーマに試合を重ねてきた角田。それだけに、この日の失点シーンには「ああやって自分たちにとって良くないボールの奪われ方をした時にどれだけ守り切れるかが今年は特に求められている。そこで失点してしまったので改善していきたい」と反省が残った。

 とはいえ、今季序盤戦のパフォーマンスが評価されての代表入り。今月3日の第3節広島戦後にはA代表選考レースについて「このチームで1試合1試合やっていくことに必死で、そこまでのことを意識できていないのが現状。もっともっとこのチームに必要とされたいし、まずはこのチームで結果を残すこと。その先にいろんなものがある。一日一日、1試合1試合、必死にやっていきたいという思いでいる」と地に足のついたコメントをしていたが、早くもステップを上ってきた。

 それでも「今季に入って試合に出ている中で、課題も出ながら成長している実感はあるし、次のW杯は目指したいと思っているので選んでいただけたことは素直に嬉しいけど、まだ何も成し遂げていない」と冷静な姿勢は崩さない。横浜FMでの立ち位置にも「まだまだチーム内では年齢も下だけど、もっと中心となってやっていかなきゃいけないと思った。今日みたいな試合でもっと存在感を発揮できれば」と満足せず、真摯に試合と向き合っている。

 その姿勢は20日から始まる代表合宿でも変えるつもりはない。「間違いなくレベルの高い選手が揃っているけど、背伸びしても自分の実力が変わるわけではない。自分が今までここでやってきたことをそのまま表現できればいい。足りなければ伸ばすだけ。まだまだ足りないところだらけなので、もっともっと上に行きたい」。まずはいまの自分を表現するのみ。「まだまだ何も始まっていないので、まずは爪痕を残すため、自分の存在感を出すために気負わずにいつもどおりの自分のプレーを出したい。ここから自分が上に行くんだという強い思いを持っていきたい」と決意を語った。

(取材・文 竹内達也)
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