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JリーグとDAZNが2033年までの新契約に合意!! 総額約2395億円、J3放送は来季以降廃止へ

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Jリーグの野々村芳和チェアマンとDAZNのシャイ・セゲブCEO

 JリーグとDAZNは30日、都内のJFAハウスで記者会見を行い、2033年までの11年間で約2,395億円にのぼる放映権契約の締結に合意したと発表した。

 JリーグとDAZNは17年、26年までの10年間で約2,100億円+レベニューシェア(利益配分)の契約を締結。新型コロナウイルス禍の20年には、契約期間を28年までの12年間に変更され、総額も2,239億円+レベニューシェアへの見直しが行われていた。

 新契約では1年あたりの金額は約217.7億円。一見、当初の約210億円、20年以降の約186.5億円からは増額となっているが、新契約はレベニューシェアを含めた契約となっている点に違いがある。レベニューシェアの内訳は非公表だが、新契約で「増えてはいる」とDAZN側。野々村芳和チェアマンは「年間の基本的な金額にするとほぼ変わらないと思っていただければ」と述べた。

 またDAZNジャパン・エグゼクティブバイスプレジデントの山田学氏はレベニューシェアについて「成長のためのスキーム」と説明。「それにコミットして、それに到達した場合は両者で果実を得るし、再投資されてサッカーの成長に使われるということ」と述べ、成果報酬型の契約になっていることを明かした。

 野々村チェアマンはこうした新契約締結の経緯について「どうやったらWin-winになっていくかということを1年間話してきた中、Jリーグの地上波での扱いをより増やしていかないと新たなファンの獲得は難しいとずっと思っていて、この辺は欧米と日本のサッカーの環境、メディア環境も違う中で、今のやり方ではなかなか成長できないのではないかという話をずっと重ねてきた」と説明。「DAZNにとってもしっかりとプラスになる形を目指していく中、地上波、特にローカルでの放送の枠を増やしていこうということを契約の中で両者納得して進めることができるようになった」と話した。

 そのため今後はテレビでの地上波放送をより多く行えるようになる見込み。Jリーグマルチメディア事業本部の岩貞和明本部長は「これまで何試合まで放送できたかという範囲は割愛するが、より広がる事になる。各クラブとJリーグが共同で地上波放送で増やしていく活動をしていきたい。ただ全試合できるわけではなく、DAZNさんとのお互いの成長を考えながら一定の数で拡大していきたい」と展望を述べた。

 新契約締結に伴い、J3リーグのDAZN放映は来季から廃止されることになる。野々村チェアマンは「全試合見られなくなるわけでは全くなく、全部の試合をローカルで見ることも可能となる。これからどんどん伸びていかないといけない地域のクラブが、多くの露出を地域で獲得できることにもつながる」とメリットを強調した。

 さらに野々村チェアマンは「全試合を見られる環境を整えるのは100%保証する」と断言。「J3は地域のクラブが多い。これからもっともっと仲間を増やしていかないといけないという中で、今のままのスタイルでやるより、全試合見られるプラットフォームはどこかに用意した上で、地域の地上波なりの中継をよりやりやすくするための契約にしたほうがサッカー界のためになると思ったので、こうした着地をした。地域で中継することはそんなに簡単ではないが、そこに対してはJリーグも人もお金も使って、より多くの人に地域のゲームを伝えられるようトライする」と意気込みを述べた。

 今回の新契約についてDAZNのシャイ・セゲブCEOは「JリーグさんはDAZNにとって極めて重要なパートナーであり、Jリーグさんといろんな施策に取り組みながら成長したい。今後、DAZNがさらなる投資をし、日本のスポーツファンの皆様がサッカーだけでなくあらゆるスポーツを楽しむために投資し続けるつもりでいる」、山田氏は「より長期のパートナーシップになれたことを大変嬉しく思っている。Jリーグの成長が我々の成長でもある。Jリーグが成長し、我々の成長につながり、そこからもう一回Jリーグの成長に還元されるといういい循環を作っていきたい」とそれぞれコメントした。

 またDAZN側のメリットについては「契約期間が延長になったということが一番大きい。OTTのみならず他のビジネス、他の体験に進出していく中、その価値の大元は当初から変わらずJリーグだと思っている。未来のビジョンを達成するためにJリーグさんとの関係がこれまで以上に長く続けられるようになったのが一番大きい。契約金額ではレベニューシェアを含むという点で、お互いに成長にコミットして、成長したらそれぞれ得られるスキームになっている。成長のためのインセンティブがあるのも大きい」と長期契約にあったと山田氏。一方、長期契約について野々村チェアマンは「メリットは一定の期間が見えていれば、それに対する投資をどうするかをしやすいこと。デメリットはいろんなことがあるのでどっちもどっちなのかなと思う」としつつ、「日本における今の課題を認識してもらった上で、同じ方向を向けるのであれば、パートナーとしてできるだけ長く一緒に進んでいったほうがメリットは生み出しやすいと考えながら取り組んでいきたい」と意気込みを述べた。

(取材・文 竹内達也)
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