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J1・J2新人で唯一のフルタイム出場中…阪南大出身の秋田DF高田椋汰「日の丸を背負いたいという最大の目標がある」

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ブラウブリッツ秋田DF高田椋汰

[4.12 J2第9節 東京V 2-1 秋田 味スタ]

 ここまでの8試合でわずか2失点と堅守を続けていたブラウブリッツ秋田が、今季初めての複数失点で敗れた。中3日の連戦でも最後までピッチに立ち続けたルーキーのDF高田椋汰は「失点に対してもっともっとチームでどうするべきか。寄せる部分、セカンドの反応、ポジショニング、細かいところだけど詰めていきたい」と改善を誓った。

 0-0のまま時間を進めながら戦い、いつものペースで試合を進めていたかのように思われた秋田。ところが後半6分、相手のサイド攻撃からハイボールでエリア内を崩され、先制点を献上すると、同19分には得意のセットプレーから波状攻撃を許し、2失点目を奪われた。最後まで駆け引きを突きつけた東京Vの質が高かったとも言えるが、これまで堅守を貫いてきた秋田らしさは影をひそめた。

 試合後、高田は「失点シーンを振り返ってみたら、クロスに対してのセカンドの反応、ポジショニングが一つ一つ甘かった。2失点目もゴールの消し方が悪かった」と反省。中3日の連戦で先発メンバーを入れ替えずに戦っていたことも影響したように思われたが、「連戦だからと言い訳しちゃいけない」と力強く語り、「まだ連戦が続くので反省してトレーニングから話し合って詰めていきたい」と前を見据えた。

 高田自身、1失点目はFWマリオ・エンゲルスにしっかりと立ちはだかり、横パスを出させていたが、2失点目は目の前でMF林尚輝のシュートを許した。試合後にはDF阿部海大に「いつもだったらもう一つ寄せ切れているところを寄せ切れていなかったと言われた」と伝えられたそうで、「もっともっと上に行く選手であればタフにならないといけないし、球際で奪い切るくらいの力をつけていかないといけない」と力を込めた。

 阪南大時代の昨季、J2リーグ2試合に出場し、今季は開幕節から9試合連続フル出場。ルーキーの全試合フル出場は現段階でもJ1・J2リーグを通じて高田だけしかいない。それでも「プロになって初めてこうして90分間連戦で出させてもらっているけど、シーズンを通して連戦は絶対にあるので、もっともっとタフになっていかないといけない」と出場機会には満足せず、さらなる高みを見据えているようだ。

 桃山学院大からプロ入り後、FC東京、C大阪、福岡、松本、相模原と数々のクラブを渡り歩いたGK圍謙太朗からはピッチ外での心得も授けられている様子。「食事や睡眠は大学であまり意識していないところもあったけど、プロになってサッカーだけになって、先輩たち、特にカコくんから1週間の食事や睡眠が大事になると言われている。連戦をしている中でどう回復して、良い食事をとって、良い睡眠を取るかが大事なので、いろんな先輩から吸収しながら上手くやっていかないといけない」とコンディションへの意識もプロ仕様になっていく構えだ。

 そしてピッチ内で追求するのは出場機会だけでなく、パフォーマンスだ。この日も東京Vのビルドアップに対し、アグレッシブな出足で奪って持ち運ぶ場面もあったが、そのあとのクロスが合わない場面が続いていた。「球際の部分、対人の部分、運動量を活かして攻撃参加できているところは収穫だし、これだけやれているというのがあるけど、上に行くためにはもう一つ質を高めないと通用しない。結局、最後に合わなかったら意味ないし、最後に合わせてこそ上に行く選手だと思っているので、質を高めていきたい」と自らにハードルを設けている。

「こうして試合に出させてもらっている分、結果を出さないといけないという気持ちがすごくある。得点やアシストというのは自分が全然取れていないので、納得はいっていない。これはやれているなという部分はあるけど、質の部分であったり、タフに戦う部分はまだまだ甘い。日の丸を背負いたいという最大の目標があるので、もっともっとこだわってやっていかないといけない」

 J2から目指すは日本代表の舞台。「自分の持ち味である対人、運動量を生かして、攻撃に参加して、秋田のストロングであるサイド攻撃は自分が起点となるというくらいにならないといけない。もっともっと上に行くためには見てもらわないといけないし、そのためには数字だと思うので、もっと得点やアシストは取っていかないといけない。インターセプトから攻撃に参加する部分は一つの持ち味だと思うけど、あとはもう一つ味方につなげていく、クロスからアシストするというところにつなげていきたい」。まずは秋田でさらに絶対的な存在となり、ステップアップの可能性を広げていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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