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雨中のJ1デビュー戦は黒星も…川崎F高井幸大は悔しさの中に手応え「やれた部分は少なからずある」

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DF高井幸大

[4.15 J1第8節 川崎F 1-2 名古屋 等々力]

 チームの窮地を救うべく、若手が急成長中だ。川崎フロンターレのDF高井幸大は今節、先発入りを果たして待望のJ1デビュー。守備陣が怪我や出場停止となる中、高井は奮闘を見せた。「絶対に勝ちたかった試合。もっと勝利に貢献できることがあったんじゃないかと思う」と悔しさをにじませつつ、自身のプレーには一定の手応えもあったようだ。

 昨季に高校2年生ながらプロ契約を結んだ高井は、今月5日のルヴァン杯・浦和レッズ戦で先発入りを果たし、国内での公式戦デビューを飾った。192cmの高さとスピードで冷静に守備網を張り、浦和を相手に無失点で抑えた。そして今節、怪我人や出場停止の選手が出る中、高井がJ1リーグ戦でもデビューとなった。

 だが、前半9分に失点を喫する。名古屋の鋭いカウンターを浴びた。「名古屋は前線3人がすごく速い選手。カウンターを注意しようと思ったんですけど、一発でやられてしまった」。警戒していた相手の武器を食らう形となった。前半終了間際にはFKで2失点目。後半に勢いを取り戻して1点を返すが、追いつくことはできず。1-2で今季初の連敗となってしまった。

 リーグ戦2位・名古屋の強さを感じつつ、その中でできたこともあった。「強いチームの中でやれた部分は少なからずあるのかなと思っています」と手応えを語りつつ、「だけど、チームが勝てなきゃ意味がない。そこにもっと貢献できるように、これからやっていきたい」と悔しさもにじませた。

 特に効果を発揮したのは、後方からのパスだ。前半13分には鋭い縦パスを前線にいたDF山根視来に通す。冷静に最後方でボールを持ち、終盤には最前線への浮き球パスでチャンスも連発した。「相手を食いつかせたり、自分のボールスピードで剥がそうと思っていました」。だが、狙いは思うように実を結ばなかったようだ。

「もう少し効果的なパスを出せたらよかった」とパスの部分での課題を語る。「押し込んだ展開が長い中で、カウンターを怖がって消極的なパスになったところは少なからずあった。そこはもっと付けていかないといけない。自信を持ってやっていかないといけないかなと思います」。追いかける展開だからこそ、失敗を恐れてしまった。

 対峙したFWキャスパー・ユンカーについて、動画で研究していたという。「すごく対策をした中での今日の試合。すごく楽しみでした。2失点は悔しいですけど、手応えはありました」。貴重な経験値を元に、次の出場機会でさらなる活躍を誓う。「これからはいつ試合に出るかわからないですけど、試合に出たら必ず自分の特長を出して、次は勝利に貢献できるようにがんばりたい」と力を込めた。

(取材・文 石川祐介)
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