J2開幕出遅れも監督交代で蘇った清水…就任後3勝1分の秋葉監督「選手たちが活き活きとフットボールを楽しんでくれている」
[4.22 J2第11節 大宮 0-3 清水 NACK]
J2リーグ降格1年目、開幕から7戦未勝利と一時大きく出遅れていた清水エスパルスが待望の今季初連勝を果たした。就任後J2初陣で今季初勝利をもたらし、以降4試合負けなし(3勝1分)とV字回復に導いている秋葉忠宏監督は試合後の記者会見で「静岡から駆けつけてくれた、日本全国から駆けつけてくれた12番目の選手に感謝したい」とサポーターへの感謝を語った。
この日の清水はルヴァン杯を含めたアウェー3連戦中にもかかわらず、立ち上がりから一方的な試合展開に持ち込んだ。前半20分にはMF乾貴士の今季初ゴールで先制にも成功。1-0でハーフタイムを迎え、盤石な試合運びを見せていた。しかし、ロッカールームに集まった選手たちに対し、秋葉監督はあえて厳しい言葉を発したという。
「前半もう3点、4点、5点と仕留めるチャンスがたくさんあった中、なかなか1点しか取れなかったことで、『非常に危険な状態だよ』ということはハーフタイムに伝えた。その中で交代選手含めて全員で、このアウェーの暑い中でどう戦っていくのか、どうゲームをマネジメントするのかということを話した」
そこで口にしたのは交代選手の存在だった。前節の山口戦では先発7人を入れ替えて臨み、これまで出場機会の少なかったDF井林章の活躍などにより6-0で完勝していた清水。この日は井林が先発としての継続出場を勝ち取った一方、MFカルリーニョス・ジュニオ、MF乾貴士、FWチアゴ・サンタナといった主力攻撃陣が先発に復帰しており、ベンチには先発定着に燃える選手たちが多く座っていた。
また先発復帰した主力選手にも慢心はなかった。前節はFW北川航也、FWディサロ燦シルヴァーノが得点を記録。「スタメンやから上の立場にいるとかではなく、前の選手に関しては誰が出てもおかしくない。この前の試合も点を取っている選手が何人もいたので、自分としても危機感があったし、同じクオリティー、それ以上のクオリティーを見せないと自分自身いつ出られなくなるかわからないくらい危機感もありながら試合に入れている」(乾)。指揮官の言葉は交代選手だけでなく、すでにピッチに立っていた選手たちも奮い立たせていた。
そうしてハーフタイムに雰囲気を引き締め直したチームは選手交代直前の後半11分、サンタナのシュートのこぼれ球から今季無得点だった背番号10のカルリーニョスが決めて追加点を奪取。まずは主力選手が結果を出した。するとそこからは積極的にメンバーを変更。同42分には山口戦で久々に先発起用され、この日は途中出場だったMF神谷優太が仕上げのダメ押しゴールを沈めた。
危機感に奮起した主力選手、先発定着に燃える控え選手がいずれもアピールしての完勝劇。秋葉監督は「交代選手含めていいゲームコントロール、いいゲームマネジメントをすることで、2点目、3点目を取って、しっかりと危なげない大人のゲームをしてくれた。そこは交代選手も含めた全員の力だなと思う」と胸を張った。
ゼ・リカルド前監督体制では5分2敗だったチームは、秋葉監督の就任以降3勝1分と負けなし。順位は9位に浮上し、ここから本格的に上位争いに割って入っていく資格を示した。秋葉監督はV字回復の要因を自ら分析した。
「まずは本来持っている力を解放させてあげること。それは適正ポジションであったりとか、やはり選手一人一人が持っているストロングで勝負できるということ。当たり前ですが人間ですからストロングがあればウィークがあるので、わざわざウィークで勝負する必要は僕は全くないと思っている。特に清水エスパルスには強烈な個、強烈な武器を持っている、ストロングポイントを持っている選手がたくさんいる。まずはそこを最大限発揮させること」
「当たり前ですが、そのストロングの部分を出す時に人間は活き活きする。わざわざ得意ではないことをお願いしているわけでも、適正でないポジションで出しているわけでもない。もともと持っているものをしっかり出そう、まずは良さを出すことで入っている。そうした意味で選手たちが活き活きとフットボールを楽しんでくれているというのがある。そういった意味で選手に非常に感謝しているし、後押ししてくれるファン・サポーターに感謝している」
指揮官は今後も競争を通じ、選手たちの能力を引き出していく構えだ。「われわれにはたくさん、次から次へと相手にとって嫌な選手がいるので、総力を挙げて、今後もしっかりとしたものを見せたい。またハイレベルで激しい競争が始まったと思っているので、この後に2連休を挟むが、オフ明けから競争力を高めて、しっかりしたものをピッチでお見せして、より連勝が伸びるように、ここから一つも負けるつもりはない。しっかりしたものをまた見せたい」。残り31試合。前評判どおりの逆転昇格に向け、清水の反撃がスタートした。
(取材・文 竹内達也)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2023シーズンJリーグ特集ページ
J2リーグ降格1年目、開幕から7戦未勝利と一時大きく出遅れていた清水エスパルスが待望の今季初連勝を果たした。就任後J2初陣で今季初勝利をもたらし、以降4試合負けなし(3勝1分)とV字回復に導いている秋葉忠宏監督は試合後の記者会見で「静岡から駆けつけてくれた、日本全国から駆けつけてくれた12番目の選手に感謝したい」とサポーターへの感謝を語った。
この日の清水はルヴァン杯を含めたアウェー3連戦中にもかかわらず、立ち上がりから一方的な試合展開に持ち込んだ。前半20分にはMF乾貴士の今季初ゴールで先制にも成功。1-0でハーフタイムを迎え、盤石な試合運びを見せていた。しかし、ロッカールームに集まった選手たちに対し、秋葉監督はあえて厳しい言葉を発したという。
「前半もう3点、4点、5点と仕留めるチャンスがたくさんあった中、なかなか1点しか取れなかったことで、『非常に危険な状態だよ』ということはハーフタイムに伝えた。その中で交代選手含めて全員で、このアウェーの暑い中でどう戦っていくのか、どうゲームをマネジメントするのかということを話した」
そこで口にしたのは交代選手の存在だった。前節の山口戦では先発7人を入れ替えて臨み、これまで出場機会の少なかったDF井林章の活躍などにより6-0で完勝していた清水。この日は井林が先発としての継続出場を勝ち取った一方、MFカルリーニョス・ジュニオ、MF乾貴士、FWチアゴ・サンタナといった主力攻撃陣が先発に復帰しており、ベンチには先発定着に燃える選手たちが多く座っていた。
また先発復帰した主力選手にも慢心はなかった。前節はFW北川航也、FWディサロ燦シルヴァーノが得点を記録。「スタメンやから上の立場にいるとかではなく、前の選手に関しては誰が出てもおかしくない。この前の試合も点を取っている選手が何人もいたので、自分としても危機感があったし、同じクオリティー、それ以上のクオリティーを見せないと自分自身いつ出られなくなるかわからないくらい危機感もありながら試合に入れている」(乾)。指揮官の言葉は交代選手だけでなく、すでにピッチに立っていた選手たちも奮い立たせていた。
そうしてハーフタイムに雰囲気を引き締め直したチームは選手交代直前の後半11分、サンタナのシュートのこぼれ球から今季無得点だった背番号10のカルリーニョスが決めて追加点を奪取。まずは主力選手が結果を出した。するとそこからは積極的にメンバーを変更。同42分には山口戦で久々に先発起用され、この日は途中出場だったMF神谷優太が仕上げのダメ押しゴールを沈めた。
危機感に奮起した主力選手、先発定着に燃える控え選手がいずれもアピールしての完勝劇。秋葉監督は「交代選手含めていいゲームコントロール、いいゲームマネジメントをすることで、2点目、3点目を取って、しっかりと危なげない大人のゲームをしてくれた。そこは交代選手も含めた全員の力だなと思う」と胸を張った。
ゼ・リカルド前監督体制では5分2敗だったチームは、秋葉監督の就任以降3勝1分と負けなし。順位は9位に浮上し、ここから本格的に上位争いに割って入っていく資格を示した。秋葉監督はV字回復の要因を自ら分析した。
「まずは本来持っている力を解放させてあげること。それは適正ポジションであったりとか、やはり選手一人一人が持っているストロングで勝負できるということ。当たり前ですが人間ですからストロングがあればウィークがあるので、わざわざウィークで勝負する必要は僕は全くないと思っている。特に清水エスパルスには強烈な個、強烈な武器を持っている、ストロングポイントを持っている選手がたくさんいる。まずはそこを最大限発揮させること」
「当たり前ですが、そのストロングの部分を出す時に人間は活き活きする。わざわざ得意ではないことをお願いしているわけでも、適正でないポジションで出しているわけでもない。もともと持っているものをしっかり出そう、まずは良さを出すことで入っている。そうした意味で選手たちが活き活きとフットボールを楽しんでくれているというのがある。そういった意味で選手に非常に感謝しているし、後押ししてくれるファン・サポーターに感謝している」
指揮官は今後も競争を通じ、選手たちの能力を引き出していく構えだ。「われわれにはたくさん、次から次へと相手にとって嫌な選手がいるので、総力を挙げて、今後もしっかりとしたものを見せたい。またハイレベルで激しい競争が始まったと思っているので、この後に2連休を挟むが、オフ明けから競争力を高めて、しっかりしたものをピッチでお見せして、より連勝が伸びるように、ここから一つも負けるつもりはない。しっかりしたものをまた見せたい」。残り31試合。前評判どおりの逆転昇格に向け、清水の反撃がスタートした。
(取材・文 竹内達也)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2023シーズンJリーグ特集ページ
LINEでゲキサカを友だち追加
