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昨年は不在だった古巣のホームでの一戦に臨んだ京都チョウ監督「真っ向勝負で柏さんに向かっていった」

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京都に先制点をもたらした豊川雄太と抱擁するチョウ・キジェ監督

[4.29 J1第10節 柏 1-1 京都 三協F柏]

「本当に理想的な形で点を取って、その後の前半の展開も主導権を握ってやりました」。柏レイソルのホーム、三協フロンテア柏スタジアムに乗り込んだ京都サンガF.C.は、前半8分に、FW豊川雄太の3試合連続ゴールで先制に成功。チョウ・キジェ監督にとって満足のいく前半だったが、後半開始直後に失点してしまい、柏が息を吹き返した。

 前節・鳥栖戦(●2-3)も前半に豊川が先制点を奪いながら、ハーフタイムには1-3と試合をひっくり返されていただけに、「1点取られた後に2点、3点と繰り返して失点がちょっとよぎりました」と指揮官は明かしたが、1-1のドローで90分を終えた。「選手がよく我慢して、こういう展開を最低でも勝ち点1を取っていくっていう、ある意味、J1の経験を長くする上で大事な戦い方の一つだった」。J1、ルヴァン杯を含めて14試合目での今季初の引き分けを、指揮官はそう評価した。

 この日の柏のホームでの試合は、チョウ監督に浅からぬ思いがあった。現役時代、早稲田大学から入団したのが柏の前身である日立製作所で、1991年からの3年にわたってプレーした古巣だ。その後、浦和、神戸を経て現役を引退し、指導者の道に進んだ。

 そして、2021年から京都の指揮官に就任、J1に昇格した昨シーズンのリーグでも三協フロンテア柏スタジアムで対戦するタイミングはあったが、チョウ監督は新型コロナ陽性判定のため、柏には帯同せず。杉山弘一コーチが指揮を執り、チョウ監督はリモートで指示を送っていた。対する柏のネルシーニョ監督も左足アキレス腱断裂のためベンチ入りせず。奇しくも指揮官不在同士となった一戦は、2-0で京都が制していた。

「去年の試合は僕がコロナにかかってしまって、家でワーワー叫んでいたんですけど、今日久しぶりに柏さんのスタジアムに来て。僕が最初に所属したチームですし、たくさんのサポーターの前で、京都として真っ向勝負で柏さんに向かっていった」

 アウェーで勝ち点1を積み上げた京都は、次節、ホームでの川崎F戦に臨む。

(取材・文 奥山典幸)
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