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横浜FCが待望の初白星「何か変化を起こさないといけない」無失点に導いた四方田監督の決断

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横浜FCが今季初勝利

[5.3 J1第11節 横浜FC 1-0 新潟 ニッパツ]

 開幕10試合を終えて3分7敗。厳しい昇格1年目のシーズンを過ごしていた横浜FCが決意のシステム変更で待望の初白星を掴んだ。四方田修平監督は試合後の会見で「とにかく泥臭くていいから、ハードワークして、一つになって、一体感を持って、戦い抜いて勝とうと選手たちと共に戦った結果、初めての無失点と、なんとか最後に勝ち点3を取るという結果につながった」とホッとした表情を浮かべた。

 リーグ唯一の未勝利で迎えた第11節、対戦相手は同じく昇格組のアルビレックス新潟。直近2試合では連敗を喫しているものの、横浜FCとは対照的にスタートダッシュを果たし、今季のJ1リーグの台風の目となろうとしているライバルだ。

 ゴールデンウィークの連戦のため、前節からはわずか中3日と立て直す時間はなかった。それでも指揮官は決断した。今季新たにトライしていた4バックの布陣をいったん取りやめ、昨季昇格に導いた5-4-1のフォーメーションに変更。ここまでリーグ最多27失点を喫していた守備にテコ入れを試みた。

「ここまで10試合、内容的にいい部分もありながら、どうしても失点の数が減っていかない、10試合を終えたところで何か変化を起こさないといけないんじゃないかというところでまず守備の安定から結果につなげていく、そこが(フォーメーションを変えた)一番(の理由)だった」

「正直、マッチアップだけで考えると4バックの方が対新潟では理に適っていると思っていたが、ここまで10試合勝ててないところ、選手たちに何か変化を与えて、守るんだというところ、失点をしないんだという意志と、後ろの選手たちに自信と思い切りを与えたいというのが一番の狙いだった」

 このシステム変更が機能した。先発10人を入れ替えたターンオーバー布陣の新潟に対し、前半から優勢に試合を展開。後半開始早々に先制点を奪い、このリードを最後まで守り切った。四方田監督は「即席ではあったが、去年からやり慣れていたフォーメーションでもあったし、選手が非常にハードワークする部分と非常に戦術的に順応してくれたおかげで90分間通してある程度狙いとする部分が出せた」と手応えを口にした。

 ようやく掴んだJ1リーグでの1勝。この結果はチームに大きな勇気を与えた。

「とにかく結果が出ないと気持ちが落ちるし、自信もなくなっていく。その中でも選手同士で鼓舞したり、ベテラン選手が引っ張っていってくれたり、スタッフが常にサポートしてくれたということでぎりぎり気持ちを切らさずに持ってこられた」

 来季からJ1リーグが20チーム制となるため、今季の降格枠はわずか1。最下位の立場は変わらないが、残留圏内まで勝ち点1差に詰め寄った。「まずここまでなかなか勝てずにシーズン11試合戦ってきたけど、まずそういう苦しい状況でも変わらず努力してくれて一つに戦ってくれた選手たち、変わらず応援してくれたサポーターの皆さんに心から感謝したい」と感謝を述べた指揮官は「まだまだ課題の多いチームだけどこれに満足せず、遅れたぶんを少しでも取り戻せるようにこれからも戦っていきたい」と前を向いた。

(取材・文 竹内達也)
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