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パリ五輪候補合宿明け1G1A! 横浜FC近藤友喜「6月の活動に選ばれたい思いが強くなった」“前育対決”も刺激に猛アピール中

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横浜FCのMF近藤友喜

[5.3 J1第11節 横浜FC 1-0 新潟 ニッパツ]

 横浜FCのMF近藤友喜はU-22日本代表候補合宿からチームに合流して以降、2試合で全2得点に絡む活躍を続けている。この日は見事な右足クロスでMFユーリ・ララの先制ゴールをアシスト。開幕11試合目で待望の今季初白星を手繰り寄せ、「代表に行って特に変わったというわけではないけど、結果がついてきているのは良かった」と手応えを口にした。

 近藤は4月23日から26日にかけて行われたパリ五輪世代のトレーニングキャンプに参加し、自身のキャリアで初めて世代別代表活動を経験。これまでチームの中心を担ってきた選手の多くは招集されておらず、ラージリストでの活動ではあったものの、世代を代表する選手たちとともに過ごした時間は大きな刺激となったようだ。

「また6月に活動があるので選ばれたいという思いが強くなったし、なんとなく描いていたパリへの道が少し見えてきているような感じではあるので、ラスト1年しっかりと結果を残そうと意識している」

 明確に何かを変えたつもりはなかったようだが、合流直後の4月29日に行われた前節の札幌戦(●1-4)でJ1初ゴールを記録するなど、新たなモチベーションの高さが結果に結びついている。

 この日は今季初めてウイングバックで先発すると、0-0で迎えた後半立ち上がり、ふわりと浮かせた右足クロスから先制点をもたらした。「俺らしくないというか、ちょっと(中村)拓海っぽいような。イメージはしっかりあって、そのイメージどおりにキックが蹴れたので良かった」。新たなプレーの幅を感じさせるアシストだった。

 過去の試合でのチャンスシーンでは、サイドでボールを持つたび縦に仕掛ける姿勢が目立っていたが、この日は冷静に相手を引きつけることで効果的なプレー選択となった。

 その要因の一つにはエースを担うFW小川航基からの指示があったという。「最近は常に前を向けたら、顔を上げたら入れてくれと要求されていて、言ってくれていた部分が実ったのかなと思う」(近藤)。またもう一つの要因は、代表活動で異なる環境を体験できたこと。「これまでは正直、縦一辺倒みたいなところが多かったけど、代表に行って横へのドリブルの有効性が再確認できた。それが代表に行った一番の収穫だと思う」と振り返った。

 この先制点を守り切り、横浜FCは待ちに待った今季初白星。「ピッチ内の雰囲気もいつもと違ったし、今日は行けるなという雰囲気があった。後ろの人がゼロで抑えてくれたら勝てるという認識はできていた。この試合がターニングポイントという話はいろんな人から出ていたし、ピッチ内でもいつもより声が出ていた。気迫や気持ちの部分がいつもよりあったのが良かった」。そんな近藤にとっても、この一戦は特別な試合だった。

 同サイドで対峙したアルビレックス新潟の左SB渡邊泰基は前橋育英高の一学年上の先輩で、ボランチで先発していたMF秋山裕紀は同期。近藤の2年時には全国高校選手権で優勝を成し遂げているが、渡邊と秋山は主力選手で、近藤は控え選手という立場だった。

「泰基さんはずっとスタメンで出ていて、僕はトップチームにいながらサブという立場だったので紅白戦でマッチアップしていたけど、当時は抜けるイメージはなかったし、実際に抜けたこともほとんどないような感じだった。ただ自分も大学4年間で力をつけてきた自信はあったので、やってやろうと思っていた」

 噛み合わせの都合でなかなか直接マッチアップする機会はなかったが、「裕紀は相変わらず上手かったし、切磋琢磨しながらやっていけたら」と久々の再会は大きな刺激になったようだ。

 さまざまな思いを込めて臨んだ一戦を経て、リーグ戦はまだまだ続いていく。再び中3日で迎える次節は首位神戸との対戦。近藤は「1試合勝っただけで、これで満足してはいけない。すぐに神戸戦があるので首位だけどしっかり叩けるように準備したい」と力強く語った。

(取材・文 竹内達也)
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