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旧友アシストで待望初ゴール!! 横浜FM水沼宏太「あれに届く脚の長さを持つのが健勇」

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横浜F・マリノスMF水沼宏太

[5.7 J1第12節 横浜FM 4-1 京都 日産ス]

 開幕12試合目での待望の今季初ゴールは、旧知のホットラインから生まれた。

 横浜F・マリノスは3-1で迎えた後半41分、DF松原健からのスルーパスはFW杉本健勇に通らなかったが、杉本はすぐさまプレスバックし、スライディングでボール奪取。これに反応したMF水沼宏太がボールを持ち運ぶと、ペナルティエリア際から強烈な右足シュートを突き刺した。

「前が空いた瞬間からゴールに向かって思い切り打とうと思っていた。とにかく入って良かった」(水沼)

 そんな水沼と杉本はかつてセレッソ大阪で共にプレーし、ロンドン五輪世代では日の丸も背負った間柄。「あのシーンは健勇がスライディングするだろうなと思って、あれに届く脚の長さを持っているのが健勇なので」。水沼は杉本の献身性と“脚の長さ”を信じ、相手DFよりも早く走り出していた。

「たぶん相手は切り替えていなかったと思うけど、僕だけ走り出していた。絶対に触ると思ったので走り出していてよかった」(水沼)

 過去の共演では水沼のクロスを杉本が決めるというパターンが王道だったが、横浜FMでは逆パターンのホットラインが開通した。杉本からは「いつもアシストしてもらう側だったので、俺が宏太にアシストしたの初めてじゃないかな」と照れ笑いも浮かんだ。

 また水沼にとってはこれが待望の今季初ゴール。鬱憤を晴らす一発が決まった直後にはゴール裏のサポーターのもとに走り寄り、激しく喜びを爆発させていた。

「今年点を取れていなくて、あまりああいうシーンがなかった。やたらヤンのところにフリーでボールが来るのに俺のところに来ないなって思っていたのでああやって来てよかった(笑)」

 そう冗談まじりに振り返ったものの、右ウイングのポジション争いはたしかに激化している。水沼は前節から2試合ベンチスタートだが、代わりに先発したFWヤン・マテウスは直近2試合で3ゴール1アシストという大活躍。水沼自身も「間違いなく刺激になっている」と語る。

 もっとも、チームはポジション争いの活性化を受け、直近4試合中3試合で3ゴール以上を記録。ハイレベルな攻撃陣を中心に近年の覇権を握ってきた“マリノスらしさ”が蘇ってきたとも言える。「ここからそれぞれの選手たちがそれぞれのポジションで切磋琢磨してチームを上に引き上げていければまたマリノスの良さが出せると思う。頑張っていきたい」。水沼もその中心を担っていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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