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敵地大敗にブーイング浴びた京都チョウ監督「いまの現状が仕方ないとは思っていない」

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チョウ・キジェ監督

[5.7 J1第12節 横浜FM 4-1 京都 日産ス]

 普段とは異なる5-4-1の布陣で横浜F・マリノスに挑んだ京都サンガF.C.だったが、結果は1-4の大敗に終わった。試合後、選手・スタッフがゴール裏に向かうと、敵地に集まった京都サポーターからはブーイングの嵐。選手に代わって矢面に立ったチョウ・キジェ監督がスタンドに食ってかかり、スタッフに制止される場面も見られた。

 数十分後、チョウ監督は記者会見に出席。サポーターからの厳しいリアクションを受け止めつつ、敗戦の弁を述べた。

「雨の中、京都からはるばる来てもらったサポーターの方々、それからマリノスの方々が本当にお互いに声援をくれる中、今日はマリノスさんに対し、真っ向から向かって行こうということで少し並びや選手を変えて、前半から取り組んでいった。結果的に1-4という大敗に終わったが、自分達の失点はプロフェッショナルな側面で言うと、一番起こしてしまうとすぐ失点につながるところ。取ったボールをやらずもがなに相手に渡してしまい、そこから逆にカウンターを食らうシーンがいくつかあったが、そのことに対してサポーターに言及されたんだと思っている」

 ゴール前の単純な競り合いで敗れたセットプレーによる1点目に始まり、後半の3失点はいずれも素早く縦につけようとしたパスを奪われたか、クリアが中途半端になったことによるもの。指揮官は敗因をボールロストに見出した。

 その一方で「ただそれをゼロにしようと思ったら、取ったボールを全部蹴ればいいということになってしまう。そういうサッカーを目指しているわけではない」と葛藤もにじませた。アグレッシブに前に出てくる横浜FMに伍するためには、ボールを奪った直後にリスクを負って前に出ることも大事。その狙いがあっての5-4-1布陣だったが、リスクに見合わないタイミングにおいて前傾姿勢が強すぎる場面もたびたび見られた。

 そうしたジレンマに対し、チョウ監督は「技術の物足りなさとか、ジャッジ(判断)の物足りなさはリーグで長くプレーしないと身につかないものだと思う」と現実を見つめる。

 その上で「だからといっていまの現状が仕方ないとは思っていなくて、こういうところの厳しい経験を彼らが積んで、どう突き抜けていくかが京都サンガとして試されている」と指摘。「失点した場面だけ見ると、すごく安いというか、イージーな取られ方をしたのは事実だが、そこに至るまでにそういうことが起きてしまう自分の指導不足とか、いまの現状を見た中で何がいいかを考えていかないといけない」と自らに責任を向けつつ、改善への意欲を強調していた。

 さらに会見では「アグレッシブに相手のコートに入って、チャンスを作っていこうという姿勢、得点を取りに行くところは試合が始まってから最後のところまでやってくれた」と選手たちの姿勢をフォロー。「昨年ニッパツで0-2で負けたマリノスさんとの試合は本当に大人と子供みたいな試合で、何もやらせてもらえなかったところから見ると、進歩は見えた」と成長も認めつつ、「その進歩に甘んじているわけにはいかない。いまの結果に向き合って、次に向かっていかないといけない」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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