beacon

多摩川クラシコでJ1初ゴール! FC東京DF徳元悠平がフラッシュインタビューで見せた祖父母への深い愛

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF徳元悠平

[5.12 J1第13節 FC東京 2-1 川崎F 国立]

 待望のJ1リーグ初ゴールは、国立競技場で行われた『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』“多摩川クラシコ”という大舞台でのものだった。FC東京DF徳元悠平は1ゴール1アシストの大活躍。前半12分のゴールについて「国立ですし、シュートを打とうというその気持ちだけで振り抜いた一発でした」と振り返った。

 FC東京と川崎フロンターレの多摩川クラシコで真価を発揮した。前半12分、徳元は左サイドに流れたボールを拾うと、そのままPA左まで入り込む。利き足の左足で切り返し、右足で放ったシュートはゴール右に突き刺さった。「サポーターの皆さんも立って喜んでくれていたので、すごくうれしかったです」。序盤の先制ゴールが、チームに大きな勢いをもたらした。

 ひとつずつステップアップし、今季から日本サッカー最高峰のJ1リーグに挑戦した。城西国際大を卒業後、2018年に当時J3リーグに所属していたFC琉球でプロキャリアをスタート。翌19年にJ2昇格を果たすと、20年からはファジアーノ岡山でプレーする。そして今年からFC東京に加入し、J1の舞台に上がった。

「本当に感慨深い。去年は国立でFC東京が試合をしているのを見ている側でした。きのうからフワフワしていたというか、なんかやれそうだなという気持ちは勝手ながらあった。J3の選手だったり、J2の選手に、勇気や希望を与えられたのかなと思います」

 那覇西高では高校3年次に高校サッカー選手権に出場した。「国立最蹴章」と言われた2013年度、数多の高校生とともに改修前の国立競技場を目指したが、那覇西は3回戦で敗退。開会式で踏みしめたその舞台に返り咲くことはなかった。「いつか立ちたいなという思いはあった」。高校卒業から約10年が経ち、国立競技場への思いが蘇る。「ここでやることが、高校生には憧れだった。プロになって、しかもホームでやれたというのがすごくうれしかった。いい日になりました」と喜びを噛み締めた。

 試合後のフラッシュインタビューでは、自身の祖母にメッセージを送った。国立競技場を目指した高校時代、朝5時から弁当を作ってくれた祖母。「試合後に見ようとしないくらい僕の怪我を恐れて。テレビ越しに見ているおばあちゃんに感謝を言いたいなと」。また、ゴール後には天に向かって声をかけた。今年1月のキャンプ中に逝去した祖父に宛てたものだった。

 親のように徳元を支えてくれた祖父母へ。「感謝の気持ちを込めて、ゴール後に天に向かっておじいちゃんに点を取ったよと。テレビの向こうで見ているおばあちゃんに、おばあちゃんやったよとやりました」。優しい笑みを浮かべながら、徳元は静かに感謝を伝えた。

(取材・文 石川祐介)
★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2023シーズンJリーグ特集ページ

TOP