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オール完封5連勝に導いた鹿島GK早川友基、国立大観衆にも動揺なし「インテルvsミランは7万5千人くらい入っていた」

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鹿島アントラーズGK早川友基

[5.14 J1第13節 鹿島 2-0 名古屋 国立]

 鹿島アントラーズ名古屋グランパスとのJリーグ30周年記念スペシャルマッチを2-0で制し、同一シーズンではクラブ史上初となる無失点での5連勝を果たした。昨季終盤から正守護神の座に就いたGK早川友基は「チームもいい状況になってきているし、これを継続していきたい」と力を込めた。

 明治大出身3年目の早川は、昨季の第30節鳥栖戦でJ1リーグデビュー。1勝3分1敗の戦績でシーズンを終えると、今季も引き続き正GKに君臨し続けたが、第8節の神戸戦(●1-5)まで2勝1分5敗と自身の高パフォーマンスとは裏腹に低調な成績が続いていた。

 ところが第9節新潟戦(○2-0)から守備に重きを置いた戦法に舵を切ると、チームは一気に調子が上向き、5試合を10得点0失点で5連勝。この日も名古屋を相手にほとんど決定機を作らせず、セットプレーで先制点を奪い、終盤に速攻から突き放すという理想的な試合運びを見せた。

 早川はそうした好調の要因を「ボール保持者に対するプレスの距離感や、連動して次の2ndディフェンダーが行くところ、チャレンジアンドカバーを常に繰り返すこと、ラインコントロール、自分も背後のカバーやクロスに出ていくというアプローチを全員で明確にしてやれている結果が安定感をもたらせていると思う」と分析する。

 この日は国立競技場に5万6000人以上の観衆が詰めかけ、ピッチ上で声のコミュニケーションを取りづらい状況にあったが、早川自身も素晴らしいクロス対応を何度も披露。「自分が出られる場面はなるべく出たし、そこでキャッチに行くのかパンチに逃げるかの判断も今日は良かった」と振り返った。

 また試合前にはベンチスタートのDF昌子源から、大観衆のビッグマッチに臨む心構えが伝授されていたという。

「源くんが言っていたけど、ここのピッチに立ちたくても立てない人がいて、こうした素晴らしい記念試合の中で、こういう環境、たくさんのお客さんに来てもらった中でやれるのは滅多にないことだと」。ベテラン選手の経験に裏打ちされた準備の取り組みも、試合での安定感につながっていたようだ。

 早川にとってもこうした大舞台は望むところだった。

「自分ももっと上のレベル、今だったらチャンピオンズリーグだったり、この前のインテル対ミランは7万5千人くらい入っていて、そういう舞台でやれるのは素晴らしいと思う。代表選手だったり、もっともっと上のレベルでやるためにもそういう環境に慣れるのは大事かなと思う」

 よりプレッシャーのかかる環境を意識しているからこそ、鹿島サポーターが大半を占めたスタンドには「動揺はなかったし、いつも通りやれた」と早川。さらに「もちろんJリーグでも毎試合こうして人が入って、素晴らしい空気感でやれたら素晴らしいなとも思った」と日常の緊迫感も求めた。

 現在のような好成績が続けば、カシマの観客も増えてくるはずだ。若き守護神は「もちろんうまくいかない試合もいい試合もあると思うけど、波を作らずに上に向かって、全員がもっともっと貪欲に。自分たちは上位にいればいいのではなく、優勝を目指しているので、そこに一歩でも近づくため、まずは勝ち点を積み上げて行くことが大事だと思う」とタイトルレースを見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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