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「大胆さも必要」、川崎F登里享平が有言実行の豪快ミドル弾

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香川西高卒業は川崎F一筋、プロ15年目のDF登里享平

[5.28 J1第15節 川崎F 2-0 柏 等々力]

 1点リードで迎えた前半アディショナルタイム、DF登里享平の右足ミドルが炸裂した。自陣でボールを受けたMF大島僚太が、左サイドで高い位置をとっていた登里へのパスを通す。ドリブルで運んでいた登里は、スペースに走り込んだMF脇坂泰斗に預ける。脇坂は潰れながらも登里にワンツーの形でボールを返すと、背番号2は逆足の右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。

 しかし、ゴール後にFW小林悠と抱き合う中で、左肩を痛めて倒れ込み、担架に運ばれたまま前半終了の増えを聞いた。「2点目が本当に欲しいなと思っていたなかでノボリが決めてくれた」「ノボリだったので特別うれしかった」と、小林が感情を爆発させていた中で起きてしまった不運に、内心焦っていたという。当の登里は、試合後のフラッシュインタビューで「交代もよぎるくらい痛めてしまった」ことを明かしたがが、90分フル出場を果たした。

 前節までのリーグ戦で、4試合連続で1ゴールだった川崎Fにとって、2得点目は試合を優位に進めるうえで大きな意味を持った。裏を返せば、相手の柏にとって2失点目によるダメージは大きかったことになる。「1失点はしょうがないところはあった」とミスによって奪われた小林の先制点については、割り切っていた部分はあったと柏の井原正巳監督はいうが、前半アディショナルタイムという時間帯も相まって「終了間際の得点が非常に大きかった」と、登里のゴールが試合のポイントになったことを井原監督は指摘する。

 川崎Fの鬼木達監督は、登里、小林という4度の優勝も知る両ベテランが、2連敗中のチームの大きなプラスになったことを挙げる。

「このチームがそうかんたんに負けちゃいけないとか、そういう姿勢を出してくれたと思います。プレーもそうですけど、声の部分も」(鬼木監督)

 実際、登里は「大胆さも必要」と試合前に声をかけたという。「みんなに響いているかわからないですけど」と自嘲するも、「自分に言い聞かせている部分もあったりして、それが点につながった」と自らにもポジティブな影響があったことを明かした。

(取材・文 奥山典幸)
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