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Jリーグ、例年より大幅に早い日程発表の狙いは「サポーターが苦慮しているという課題意識」“日程くん”も今後大幅刷新へ

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説明を行った樋口順也フットボール本部長とマーケティング部の鈴木章吾氏

 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は25日、理事会を開き、2025シーズンのJ1リーグは来年2月14日(金)から12月6日(土)、J2・J3リーグは同15日(土)から11月29日(土)にそれぞれ開催することを決議した。大会方式に大きな変更はないが、今回は例年よりも約1か月早いタイミングでの日程発表となった。

 Jリーグは例年、12月下旬に翌シーズンの開幕時期と各クラブのホーム開幕カードを発表していたが、今回は1か月以上も早いタイミングで開催時期が決まった。また例年はシーズン開幕前の1月下旬に上半期の試合日時と通年の対戦カード、7月ごろに下半期の試合日時を発表するという流れが通例だったが、今季は日程発表のスケジュールを実質的に前倒し。今後、12月13日には通年の対戦カードが発表される上、同27日には2月・3月分の試合日時が発表される予定となっている。

 25日、理事会後の記者会見に出席したマーケティング部の鈴木章吾氏は「カレンダーの問題に関してはすごくJリーグの中でも課題意識があり、特に開幕期の2月、3月のスケジュールが出ていないことで、特に宿泊を伴うアウェー遠征の予約や、ホームゲームにも行く、行かないのことでもファン・サポーターの方々が苦慮しているという課題意識がずっとあった」と説明。2026年夏からはシーズン移行も予定している中、現方式最後のシーズンとなる2025年から「チャレンジをした」ことを明かした。

 さらに樋口順也フットボール本部長は「日程を作るのは壮大なパズルになっており、これまではクラブの希望であったり、放映であったり、さまざまなステークホルダーのお話を聞きながら最大化するものを作っていた」と振り返りつつ、「今回は2月、3月の日程をを少しでも早く発表したいということで、2月、3月は違うパズルとした」と説明。「全体としては(日程発表を先送りすることで)本当はテレビの放映がもっと増えたのにといったバランスもある中、多少は失うものがあるかもしれないが、それは営業努力とか、さまざまなもので解決し、全てがプラスになるという形で向かっていこうということで、早く発表することを優先した」と明かした。

 日程発表の前倒しにあたっては、スタジアムの確保などを行うJクラブ側に迅速な対応を求める格好となるが、「クラブ側にかかる負担についてもクラブともコミュニケーションをしながら、ファン・サポーターのために、少しでも日程の融通を効かせる融通を利かせるために合意形成してきた」と鈴木氏。樋口本部長も「中にはスタジアムとの調整がちょっと早すぎるというクラブもあるが、少しでもファン・サポーターの皆さんに早く発表するというメリットを踏まえて進めている」と述べ、“サポーターズ・ファースト”の観点から早期日程発表に至ったようだ。

 なお、Jリーグでは現在、通称“日程くん”と呼ばれる日程構築システムの大幅刷新にも取り組んでいるといい、夏開幕へのシーズン制移行を迎える2026-27シーズンからは新たなアルゴリズムを基にJリーグのスケジュールが組まれることになるようだ。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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