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年間フル稼働も悔しさ残した広島GK大迫敬介「自分がもっとチームを救えれば…」

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GK大迫敬介(写真左)

[12.8 J1第38節 G大阪 3-1 広島 パナスタ]

 攻撃的なスタイルでJ1リーグ最多得点を叩き出したサンフレッチェ広島において、数々のピンチを阻んだGK大迫敬介の活躍も欠かせないものだったが、最後はタイトルを逃した悔しさと共にシーズンを終えた。最終節のG大阪戦に敗れた後、大迫は「今季は自分自身、納得のいくシーズンではなかった。この悔しさを持って、来季は自分がチームの中心になれるように頑張りたい」と奮起を誓った。

 大迫は今季開幕前、もともと痛めていた右手舟状骨の手術を決断。日本代表として出場が見込まれていたアジア杯への参加こそ果たせなかったが、今後のキャリアを見据えて負傷のケアを優先した結果、今季はJ1リーグ戦全38試合のフルタイム出場を果たし、チームを優勝争いに導く立役者となった。

 それでも25歳の守護神に充実感はなかった。「自分があと1点、2点防いでいればチームの流れが相手に渡らなかったシーン、勝てた試合もあった。決定的なシーンで自分が防ぐこと、それが一番の仕事だと思っているので、今季はなかなか満足できるものではなかった」。チームはシーズン最終盤に5戦1勝4敗と大ブレーキに陥ったこともあり、「自分自身がもっとチームを救えれば良かった」と反省を口にした。

 もっとも、日本代表に復帰した3月以降は北中米W杯予選の帯同が続く中、代表とクラブとの並行活動を完遂。「コンディション維持の難しさは代表の前後ではすごく感じたけど、その中でもパフォーマンスを発揮しないといけないというのが代表の宿命」という難しい調整にも真摯に取り組み、貴重な経験を積み重ねる1年となった。

 また悔しい結果に終わったものの、優勝争いの経験も大きな財産となった。「3連敗も含めて優勝することの難しさは痛いほど味わった。今年みんなが悔しい思いをしたことはこれからに活きると思うし、この経験を来年、しっかりと開幕からぶつけて、シーズンが終わった時にこの悔しさがあって良かったと言えるようにキャンプから頑張っていきたい」と来季につなげていく構えだ。

 来季はJリーグでさらに絶対的な評価を勝ち取りつつ、日本代表ではGK鈴木彩艶(パルマ)の分厚い壁に挑むシーズンとなる。

 欧州5大リーグで実績を重ねる鈴木と互角を争うのは簡単ではないが、大迫は「代表で試合に出ないともっと大きな成長はできないと思う。そこにしっかり入っていくことで、誰もが認めるGKになっていきたい」と意欲十分。「もちろんレベルが高いリーグでやることで評価される部分もあると思うけど、このJリーグで試合に出続ることで、そこ(海外)に劣らないパフォーマンス、そこに優るパフォーマンスを出せるんだというのは自分が証明できることの一つ。今はJリーグでやっているけど、そこから代表を背負って戦っていける存在になっていければ」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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